21日に東アジア杯初戦の中国戦を控えた日本代表は、20日夕方から韓国・ソウル近郊の坡州(パジュ)で練習を行った。
試合前日ながら、1時間半を超えるトレーニングを行った代表。この短い準備期間の中で、新たな顔ぶれが揃うチームに少しでも戦い方のコンセプトを浸透させ、コンビネーションやプレーの共有を図っていった。
実際に11人のメンバーを組んだミニゲームも行われ、明日の先発組と思われるチームには、1トップに柿谷、トップ下に高萩が入り、両者の関係性からゴールに迫るシーンもあった。またもう片方のチームでは、左サイドに入った山田が得意のミドルシュートを叩き込むなど、各選手ともチーム戦術の理解度を上げていく作業とともに、個人のアピールにも余念のない姿だった。
さらに基本システムの[4-2-3-1]以外に、途中で豊田と大迫の2トップを試す場面もあり、「オプションの一つになる。やはりFWの選手には前線でプレーしてもらいたい。最初に大迫は遠慮してあえてトップ下に近いところに入っていたので、『遠慮なんかせずに、FWでプレーしなさい』と彼には話した(笑)」(ザッケローニ監督)と、豊田・大迫の大型2トップが組まれる可能性も。
ただ、ザッケローニ監督は、「名前は言えないが、実は明日の中国戦の先発メンバーはすでに決まっている」と明言もしている。
「まず、3試合の初戦のメンバーを決めていく中で、ある意味この試合が一番難しい試合になるのではないかとも考えた。この2日間のトレーニングぶりも見ていたし、精神面、技術面、体力面、そして個々の選手の特徴などを考えた結果、先発を決めた。いい形でこの初めての試合に臨ませたい」
さらに、今後の起用法についても触れた。
「多くの選手を見たいが、公式戦なので交代枠は3人と限られている。まずは中国戦のプレーを見て、その後の練習も踏まえて状況を見ながら豪州戦、韓国戦のメンバーも決めていきたい。ただ、試合で全員のプレーを見られないかもしれないが、練習を通じて見ることはできる。もちろん試合は大切ではあるが、練習での姿も大切だ」
おそらく、毎試合大幅にメンバーを変えることはなく、ザッケローニ監督の頭の中には、すでに今回のチームの骨子を担う選手が何人か存在していることは間違いないだろう。その意味でも、明日の中国戦のメンバー選考は、今回のメンバーに対する指揮官の考えや志向を知ることができる、絶好の機会だと言える。
「今回のチームはほかの参加国に比べて、経験や成熟度は低いかもしれない。もちろん選手たちが経験を積む、戦術の理解度を高めることが今回の目標だが、同時にサッカーは結果にもこだわらないといけない。そして私は、この選手たちが何かサプライズを起こしてくれる能力を持っていることを信じている」
こう語るザッケローニ監督の表情は、終始非常に明るく、笑顔が絶えなかった。それは、彼自身が新たなメンバーが見せる新鮮さを最も楽しんでいるようでもあった。
いよいよ始まる、東アジア杯。Jリーグで活躍する選手たちが満を持して青色のユニフォームを着て戦う舞台。彼らが放つ増大なエネルギーが、指揮官が期待するサプライズを呼ぶことにつながるかどうか、大いに注目が集まる。(現地取材記者・西川 結城)
[4-2-3-1] | ||||||
柿谷 | ||||||
原口 | 高萩 | 工藤 | ||||
青山 | 山口 | |||||
槙野 | 森重 | 栗原 | 駒野 | |||
西川 |
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(BLOGOLA編集部)
2013/07/20 20:42