東アジア杯に参戦している日本代表は27日、韓国・パジュで、翌28日の韓国戦(20時キックオフ)に向けて、約1時間の調整を行った。
時間こそ短かったが、練習では布陣を組み、攻守の連係確認を行った。気になるメンバーは第1戦の中国戦の先発と第2戦の豪州戦の先発メンバーが、そのまま布陣を組んだ。
両チームとも攻撃面で魅せた。豪州戦組では山田大記が左サイドを突いて低いクロスを上げ、中で豊田陽平が合わせていく場面や、逆サイドの森脇良太のクロスに今度は豊田がファーサイドで豪快なヘディングを放つなどの見せ場を作った。一方、中国戦組は高萩洋次郎と柿谷曜一朗の好連係で相手の裏を突き、ゴール前に工藤壮人が飛び込んでゴールを強襲。韓国戦で先発するのは、スピーディーかつトリッキーなアイディアが武器となる中国戦組か、それともゴール前になだれ込んでいく迫力を持っている豪州戦組か…。
ザッケローニ監督はメンバー選考の第一条件として「まずはコンディションが重視」と述べていた。その点では試合間隔が空いている中国戦のメンバーが中心となることが予想される。
さらに指揮官は、今回新たにホン・ミョンボ新監督が就任した韓国代表にも言及。「これまで戦ってきた監督のチームとは、また違うバリエーションを持っている。その違うバリエーションが何かは、ここでは言えない」と話した。
過去にザックジャパンが韓国と対戦したのは3試合。2010年10月のアウェイ戦、2011年1月のアジアカップ準決勝、そして同年8月のホーム戦である。そのすべての試合で、韓国を率いていたのはチョ・ガンレ元監督。この監督はそれまでの韓国のフィジカルを重視したサッカーからの脱却を図り、日本同様パスを主体としたサッカーへの移行を図っていた。トップの位置に入っていたのが、183cmのパク・チュヨンだ。足元でのプレーに長けており、まさにチームスタイルの象徴と言えるストライカーだった。
しかし、今回の韓国代表メンバーはその当時とはスタイルが異なる。「ディフェンダーからはボールをつないでくるけど、サイドからは結構シンプルに放り込んでくる印象」(高萩)と話すとおり、韓国はかつてのスタイルの復活にも試みている。
実際に昨年のロンドン五輪の準決勝で日本と対戦したホン・ミョンボ監督(当時五輪代表監督)も、日本のディフェンダーに対してロングボールを入れてくる戦術を採用。さらに今回招集されているFWは、キム・ドンソプが187cm、ソ・ドンヒョンが188cm、そして昨季のACLで日本勢を苦しめたキム・シヌクが196cmと、ここ数年の日本戦のメンバーに比べて、高身長選手がズラリと並ぶ。
CBの森重真人は、「フィジカルが強いし、タフ。(キム・シヌクは)一度ACLで対戦しているので、ある程度イメージはある。ゴール前は体を張っていかないと」と、高さ勝負に覚悟を示している。相手の変化について具体的に言及しなかった指揮官も「当然そこ(日本の弱点)を突いてくるのかなとは思っている。こちらもその予防法を考えている」と細心の注意を払う。ホン・ミョンボ新監督率いる韓国のフィジカルやパワーを生かした戦い方にいかに対応できるかが、試合の大きな焦点となる。
「この日韓戦だけにとどまらず、私はこのチームに思い入れがある」と話すザッケローニ監督。Jの精鋭で結成された日本代表は、短いながらも充実した約10日間を過ごした。その今大会を締める、日韓戦。彼らは相手の庭で、大会初優勝に向けて最後の躍動を見せつける。(現地取材記者・西川 結城)
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柿谷 | ||||||
原口 | 高萩 | 工藤 | ||||
青山 | 山口 | |||||
槙野 | 栗原 | 森重 | 駒野 | |||
西川 |
(BLOGOLA編集部)
2013/07/27 22:12