25日の東アジア杯・豪州戦。最終的には大迫勇也のファインゴールで勝利したが、中国戦と同様に、日本はリードした展開から2点を追い付かれてしまった。失点するまではほぼ完璧な試合運びをしていたのにもかかわらず、なぜそういう状況に陥ってしまったのか。CBで日本代表デビューを飾った鈴木大輔が冷静に話した。
「(終盤、CBの2人は疲弊していた?)互いに、ですね。どちらもくさびのパスを狙うにも中途半端になっていた。ファウルが怖かったというのもあったし、中盤のマークも甘くなっていた」
全体が高いラインを保ってプレッシャーをかけ続けたが、鈴木は「全部が全部、前から守備へ行くのではなくて、90分のなかで割り切って下がる時間帯があってもいい」と振り返った。
1失点目はアクシデント気味に裏へと抜け出されたものだった。特に鈴木が悔やんだのは2失点目だ。
「俺が前に出て相手に反転させられたところで、千葉(和彦)さんがカバーに入ってくれたんですが、そこでもう一人、千葉さんがマークに付いていた選手も走ってきて…。無理して前に自分が(チェックへ)行くのではなくて、遅らせるような対応をしてもよかった。俺が付いていくことで千葉さんはカバーのポジションに入ったんだと思う。気をつかって、千葉さんは自分に言わなかったけれど。あとは、くさびが入ってくる前にボランチを前に立たせるとか、一回引かせるとかが、足りなかった」
スムーズな口調で状況を細かく振り返った鈴木。守備では新潟時代にコンビを組んだ千葉と良好な関係を築き、また前半から戦況を見ながら右サイドを持ち出したり、鋭い縦パスを入れて得点に絡むなど攻撃でも持ち味を出した。「良さを出していた」と柏で同僚の工藤壮人も評している。スピード勝負では危うかったが、読みの正確性や体の強さ、そして持ち前のリーダーシップを存分に発揮して、その存在をあらためて知らしめた。
中国戦の森重真人がそうだったように、周囲を冷静に引っ張る能力があることを示した鈴木。最終戦、韓国との大一番でCBのチョイスがどうなるのか、いまから注目だ。(現地取材記者・田中 直希)
(BLOGOLA編集部)
2013/07/26 11:45