2013年まで柏レイソルで活躍した澤昌克選手は、現在ペルー1部リーグのデポルティーボ・ムニンシパルでプレーしています。このインタビューシリーズでは、地球のほぼ反対側でプレーする澤選手の“いま”を、澤選手ならではのエピソードも交えてお伝えしていきます。少し掲載の間隔が空いて、ネタが溜まりすぎた第5回目は、「復調、買収、殺人事件。こぶしは全治2、3カ月」。ペルーでは、いろいろと起こっています。サッカーのほうでも前期を3位で終えたチームは、後期に入って…。(写真 動画提供:澤昌克)
調子に乗って茶髪にした学生みたいだった
ーー5試合勝ちなしで始まった後期。ですが澤さんが先発に戻ってから調子を取り戻しつつあります。
頭を打って4針縫うこともあったし、0-5で大敗することもありました。そこから、監督が良かったときのフォーメーションと人に配置を戻したら、ホームで1-0で勝てた。次の試合も勝てて、連勝。みんな、やっていたことを思い出した感じですね。Jリーグでも、大宮が10何連勝して首位にも立っていたのに、そのあと急に勝てなくなったことがあったでしょう。あんな感じだった。でも、自分たちはそれを食い留めることができた。みんな、小学1年生に戻ったんですよ。調子乗って金髪、茶髪にしていたところに、大学生にボコられて初心に帰ったという感じ…。いまの俺らが狙っているのはコパ・スダメリカーナ出場権。幸い、前期と後期の勝ち点を足した順位で年間順位が決まるから、みんな狙っていますよ。スダメリカーナで優勝したら、日本で開催されるスルガ銀行カップに出られますからね!! モチベーション、高いよお。もちろん、そう簡単ではないけど…(笑)。
優勝がかかると、やたら取られるPK
ーーいまはどのポジションを任されているんですか。以前は[3-5-2]の左ウイングバックでしたが。
いまも基本的には左サイドをやっています。左ウイングバックだったり、[4-4-2]の左サイドハーフだったり。トップ下の選手がウロウロするタイプだから(笑)、俺もあっち行ったり、こっち行ったりしてます。流動的というか、仲間の穴埋めをしているだけかもしれないね。
ーーそうそう、ペルーの試合結果を見ていると、PKとか退場とか多いですよね。
いつもPK取られるんだよね。前期の最後4、5試合で、優勝がかかってくる試合になってから、やたらと。こちらでは資金力のあるチームが審判を買収しているのでは、という話がしょっちゅう出てくる。前半と後半でジャッジが全然違うことも多い。ハーフタイムに何かあったのか勘ぐりたくなるようなね。緊迫した試合になってくると、審判の効力はより大きく出ます。特にウチは相手を圧倒できるような実力があるわけではない。審判の笛で、大きく結果が変わってしまいますから。チームも選手も、サポーターも、そういうことがあると黙ってはいないですよ。でも、審判もしょっちゅう言われるから気にしていないと思います…。
ーーえ、そんなの絶対買収してますって!
なんとも言えないけどね。そうそう、この前試合に勝ったあと、バスが襲われたんだ! のんきに動画とってたけど…。
ーーもう、なんか言葉が出ません。めちゃくちゃ危険っぽいじゃないですか! そんな(?)ペルーリーグも、これから、終盤戦に入っていきますね。
このチームは長いこと、2部リーグ、地域リーグでやってきた。苦しんできたから、まず最初の目標が一部残留。それが確保できれば、コパ・スダメリカーナに照準を合わせていきます。雰囲気は変わらずいいです。みんな真面目ですしね。負けた次の日は言葉少なだけれど、その次の日からは元気にやっている。このチーム、引きずらないところがあって、それが良いんだと思う。まあ、前期である程度貯金を作ったから、一回、二回くらい負けたくらいだとあたふたしない。余裕もあるんだと思う。チームとしても、後期のタイトルもチャンスがないわけではない。上位との対戦も残っているし、まだまだ頑張りますよ。
(BLOGOLA編集部)
2015/10/10 23:13