2013年まで柏レイソルで活躍した澤昌克選手は、現在ペルー1部リーグのデポルティーボ・ムニンシパルでプレーしています。このインタビューシリーズでは、地球のほぼ反対側でプレーする澤選手の“いま”を、澤選手ならではのエピソードも交えてお伝えしていきます。第三回目は、「監督解任! チリ代表の監督は元恩師だった」。時に残酷な契約面のお話、それと現在開催中のコパ・アメリカについて。ボリューム満点でお送りします。(写真提供:澤昌克)
幹部とソリが合わず、監督が交代
ーーえ、成績が悪くないのに?!
「幹部とのそりが合わなかったみたい。それに選手4人が、戦力外通告みたいなモノを受けちゃいました。2人がペルー人、あとはウルグアイ人とアルゼンチン人。彼らは結果がついてこなかった。でも、びっくりしました」
ーーそれは驚きますよね…。
「監督は俺らとの距離が狭くて、『デブ!』って言えちゃうくらいフランクな間柄でした。今年から監督になったんですが、それくらい信頼関係があった。だからこそ、辞めさせられるのは腑に落ちませんでしたね。選手が戦力外になることは、仕方のない面もあります。でも一度、キャプテンやオレなど4人の選手で、幹部のところに乗り込んで話をしました。『ほかのチームからオファーがあったときの待遇はしっかりしてほしい』と。選手がほかのチームからのオファーを受けるかは選手次第だし、選手が『あのチームには行きたくない』といったら、このチームでも練習できる環境を作らせてもらいたい、と伝えました。そうは伝えたけれど、どうなるか…。厳しい世界ですよね」
ーーペルーではよくあることなんでしょうか。
「よくあることですね。リストラみたいな感じで、シーズン中でも選手を削って、削ったぶんの給料を浮かせるという。今回、戦力外になってしまったのは19歳の選手、それと33、34歳くらいのペルー人選手。外国人2人も28歳と30歳くらい。みんな、年末まで契約が残っている。だから、『残りの契約ぶんの給料を全部出せ』と交渉したり、何割かをもらったり…。しょっちゅうありますよ。本当に、一年一年が勝負です。自分だって、いつそうなるか分からないから…。でも、シーズンはまだかなり残っています。決して後ろ向きにならず、やっていきますよ。戦力的には、今までのスタメンが崩れるもことないし、チームの空気も悪くなったわけではないですから」
ーー次の監督は決まっているんですか。
「監督のアシスタント役だった人が、ポンっと監督になりました。戦術もシステムも、変わっています。いまの監督は3バックが好きで。自分は左のウイングバックみたいになりました」
ーーこれまでサイドハーフでしたから、少し位置が下がることになりますよね…。
「でも、攻め残ったままでも良いと言われています。同じ位置に、オーソドックスな左SBの選手を置くとディフェンシブになります。ただ、チームとしてはそのポジションの選手には運動量のある選手を置いて、ある程度前に行ってほしいということで。だからディフェンシブな感じではなくて、相手陣地に入ったらFWの一人というイメージでプレーできそうです。このポジションをやるのは、(アルゼンチンの)リーベル(・プレートの下部組織でプレーしていたとき)以来。まあ、あのときはGK以外全部で出ていましたからね…。選手としては、戦術が変わって使われないより、評価して使ってもらえるほうがいい。やれることをやるしかないですから」
(BLOGOLA編集部)
2015/06/22 06:29