勝点差1で迎えた阪神ダービーは、C大阪にとってこの上ない劇的な勝利となりました。本日発売の関西版・エルゴラ本紙では、アウェイながら、原稿を2本書かせていただきました。最後まで攻め切ったチームもののコラムと、シンプリシオ選手についてのコラムです。
この試合では、自身、「五本の指に入る」という枝村匠馬選手の素晴らしい決勝弾など、他にもいくつもトピックがありましたが、ここでは、同期の丸橋祐介選手の退場後、「マルのためにも勝とうと思ってプレーした」という山口螢選手について触れようと思います。
丸橋選手がピッチから去った後、「扇原貴宏を左サイドバックに、山口螢とファビオ(シンプリシオ)の2人をボランチに、さらに柿谷曜一朗とケンペスを前線に置くという形を取った」(レヴィー・クルピ監督)C大阪ですが、山口選手がボランチに入るのは、ロンドン五輪から帰国後、初めてでした。若干のブランクがありましたが、さすがに世界を相手に活躍したボランチでのプレーは堂に行ったもの。豊富な運動量と果敢なチェックで、神戸の選手を何度も潰していました。
試合後、久々のボランチでのプレーについて尋ねると、「しんどい時間帯でも自分の特長は出せたと思います。これからも試合の流れによって自分がボランチに入ることもあると思うので、2列目もボランチも高いレベルを求めてやっていきたいですね」と話していました。
また、機を見た攻撃参加から2点を奪ったシンプリシオ選手のプレーについては、「試合の流れを読める選手だし、全部が全部上がっていくわけではなく、“チャンスになる”という時に上がって点も取れる。自分がボランチに入った時は、本当に手本になる選手です」と最敬礼。攻撃参加から得点を奪うプレーは山口選手の持ち味でもあります。素晴らしい「手本」に学び、どんどん良い部分を吸収していってほしいです。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/10/02 15:50