先週末の天皇杯2回戦、C大阪は奈良クラブと対戦しました。各地でジャイアントキリングも続出する中、C大阪は4-0と快勝。試合後には、レヴィー・クルピ監督が奈良クラブのユニフォームを欲しがり(!)、C大阪のユニフォームと交換する場面もありました。
この試合、紙面スペースの都合上でEG本紙ではレポートが掲載されませんでしたが、記者が選出するMOMは柿谷曜一朗選手です。8本のシュートを打ちながら、自身は無得点に終わりましたが、1起点、2アシストと、1点目から3点目まで全ての得点をお膳立てする活躍ぶりでした。1点目は、丸橋祐介選手のクロスにケンペス選手が合わせた形でしたが、柿谷選手が丸橋選手に技巧的なヒールパスを出した時点で、“勝負あり”でした。2点目は、得点を決めた山口螢選手にスルーパスを通し、3点目は、柿谷選手の突破からのシュートを奈良クラブGK日野優選手がはじいたところを、杉本健勇選手が詰めた形でした。
カテゴリーが落ちる相手との対戦では、上のチームは1点目をこじ開けることに苦しむ試合も多いですが、柿谷選手が見事に打開した格好となりました。
試合後は、「勝たないといけない相手だったので、結果としては当然だったと思う。ボールを支配する時間が長くなるのは分かっていた中で、どれだけ決定的な仕事ができるかというのは心がけていた。でも、自分が決めないといけないところで決められなかったりした。それが、リーグ戦の後半のラスト、0-0とかの時に外してしまうと、本当にもったいないことになる。そこをしっかり決めて、結果を出せるようにしたい」と自身に向けた厳しめのコメントも残していましたが、このコメントも含めて非常に頼もしさを感じさせてくれました。
また、前回のブロゴラで、追跡取材するとお伝えしたレヴィー・クルピ監督とシンプリシオ選手との関係ですが、11日の練習後、「2000年にサンパウロFCでシンプリシオ選手とのキャリアが重なっていますが、彼は教え子ですか?」とクルピ監督に尋ねると、
「彼をユースからトップに上げたのは私だよ。彼のプロデビューも私の時。そこからイタリアでの経験も加わって、よりタフな、素晴らしい選手に成長している」とのことでした。
何と、シンプリシオ選手はクルピ監督のもとでプロデビューを果たしていたのです。山口選手、扇原選手、シンプリシオ選手と、クルピ監督のもとでプロデビューした3人が並ぶ中盤。短い期間でフィット感が増しているのは、その共通項のおかげでしょうか。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/09/12 14:43