14日のウルグアイ代表戦の日本代表メンバーに選ばれるなど名実ともに柏のエースに成長した工藤壮人。初のAFCチャンピオンズリーグ制覇に向け、その意気込みを聞いた。
聞き手:郡司 聡 取材日:8月8日
Photo: Atsushi Tokumaru
個人的には代表で海外に行く機会も、クラブとして海外で試合をする経験もあまりなかったですから、いろいろなアクシデントや食事のストレスで戸惑ったこともありました。クラブもそうした昨季の反省を踏まえて、クラブスタッフの事前準備も気を配っていただいています。何日も前に現地に入ってコンディションを整えて、食事の調整もしていただいています。クラブ総出で勝ちたいという気持ちが結果に表れていると思います。
ラウンド16の全北現代モータース(韓国)戦は、昨季のラウンド16で負けた苦い思い出もありますし、しかも韓国のクラブ(蔚山現代)に負けていますからモチベーションも高かったです。
第1戦のアウェイでは2-0で勝ちましたが、押し込まれる時間帯も長く、耐える時間帯が続きました。でもチームは絶対に失点をしてはいけないという中で、流れを引き寄せる戦い方を身に付けたと思います」
それは冗談として、僕自身今季のACLに懸ける思いは強かったですし、ゴールで貢献しないといけないのにそれができていませんでした。昨季の天皇杯を勝ち獲って、再びそのチャンスを得られたことで、僕がチームの中心になってやらないといけないという気持ちを強く持ちました。水原戦でのアジア初ゴールは大きかったです。Jリーグとは違ったゴールへの喜びがありました。
ACLで戦うDFとJリーグのDFはやっぱり違います。Jリーグの場合はオフサイドトラップをしかけてくるなど組織的です。誰か一人がファーストDFとしてつぶしに行けば、ほかの選手がカバーをするなど徹底しています。でもアジアのディフェンスは、ファーストDFだけでつぶしに来ることも多いです。体格勝負のチームが多いです。中東のDFと対戦するのは、楽しみという気持ちが一番強い。
僕は初めての対戦相手のときは、キックオフの瞬間からマッチアップする選手の特長や、得意なこと、苦手なことを見るようにしています。それをいち早く察知して上回ることを意識しています。相手の良さを出させないように、例えば前につぶしに来るDFならば、どんどん裏を狙って崩していきたいと思います」
今季のレイソルは先制点を取れないと、なかなか自分たちのペースに持ってこられていません。ですから先にゴールを奪って自分たちが主導権を握れる試合にしないといけない。そのためにはサポーターの後押しが必要ですし、平日の試合だと仕事もあるので難しいと思いますが、たとえ試合のスタートから見られなくても、途中からでもスタジアムに来てほしいです。
選手たちはサポーターの応援があれば、気持ちも入りますし、スタジアムの端が、空席が目立つと悲しい気持ちになります(苦笑)。アウェイ側はさすがに仕方がないですが、ホーム側だけでも埋めてもらえると選手たちの力になりますので。キックオフ前に入場するときに、バックスタンドとゴール裏を見て、端が空席だと自分たち選手がもっと盛り上げないといけないなと感じています。
まだ毎試合満員になるほどチームの実力が伴っていないですし、もっとサポーターの数を広げられる魅力のある試合をしないといけないと常に思っています」
また、ほかのチームのサポーターにもレイソルを応援してほしいと思いますね。もちろん、先ばかりを見てもダメですし、1試合1試合目の前の試合を勝ち抜くことが一番重要だと思います。
僕自身、まだ決勝に行く姿も、準決勝に行く姿も、見えていません。まずは目の前のアルシャバブ相手に勝ち切る、目の前の試合を勝っていくという気持ちが強いです。
もちろん、Jリーグの試合で気合が入っていないわけではありませんが、今季のACLの試合をするときのみんなの眼は昨季と違います。選手もサポーターも違った熱がありますし、楽しみながらも結果を求めていきたいです。
ここからは紙一重の戦いが待っています。これまで以上に練習から試合に集中して戦っていきたいですね。勝ち上がっていくためにも、僕がゴールを決めないと。サポーターの方々が駅でビラ配りをしたり、柏まつりで盛り上げてもらったという強い気持ちは僕たちにも伝わってきています。それに応えるために選手たちも日頃の練習から全力で戦っています。サポーターの方々とチームが一丸となってACLを勝ち獲りたいとみんなが思っています。
熱い応援で後押しをしてもらえれば、レイソルは絶対に優勝できるチーム。アジアの頂点を獲って一緒に喜びを分かち合いたいですね」
(BLOGOLA編集部)
2013/08/16 12:00