2013年まで柏レイソルで活躍した澤昌克選手は、現在ペルー1部リーグのデポルティーボ・ムニンシパルでプレーしています。このインタビューシリーズでは、地球のほぼ反対側でプレーする澤選手の“いま”を、澤選手ならではのエピソードも交えてお伝えしていきます。第二回目は、「PK失敗のあとの拍手と本人登場ドッキリ」。今回は良い話を中心に…。(写真提供:澤昌克)
ですが、スタジアムに集ったサポーターたちは澤選手に拍手を送ったといいます。彼を励ますような、「サワコール」と温かい拍手を。
その理由を関係者はこう話しました。「サワが2007年に在籍していたとき、チームは2部に降格してしまった。けれど、サワ自身はその役割を務めて、ゴールもたくさん奪ってくれた(10ゴール)。そして昨季にはチームに帰ってきてくれて、07年以来となる一部のステージに昇格させてくれた。彼の今までの功績は、たった一度のPK失敗で変わらない。そしていまも、彼が流してくれているあの汗は無駄ではない。『これからも頑張ってくれ。たとえもう一回PKを外しても、同じ気持ちでいるから』という意味で拍手が起こったんだ」。
ーー5節、澤選手がPKを失敗したのにもかかわらず、スタジアムが拍手に包まれたそうですね。
「ありがたいですね。外した瞬間は『やってしまった!』と思ったけれど、サポーターは自分のコールをしてくれた。試合後、バスに乗り込む前にもみんな、思い思いに温かい声を掛けてもらいました。でもね、その中で一人、おばちゃんが近付いてきて、『こんなに言われているけど、実際にあんたは何もしていないのよ!』とハッキリ言われました(笑)。どの国にも、そういうおばさんはいますよね(笑)。ホント、それが事実なんですけど」
ーーそれだけ地元のサポーターに愛されるって、なかなかできないことですよ! おばさんはさすがですが…。そんなペルー1部リーグも、ここでひと区切りが付いたんですか。
「前半戦が終わりました。コパ・アメリカの開催中は、国内リーグが中断に入るんです」
ーーなるほど! 開幕からこれまでのチームを振り返って、いかがでしょう。
「7試合で勝ち点10(2勝4分1敗)。リーグ戦の前に行われたコパ・インカ(2勝2分4敗)に比べたら、大崩れすることもないですし、チームはまとまっています。リーグ戦直前の練習試合でが3戦全敗と厳しい状況だったけれど、それでも俺らは前向きにやり続けていた。リーグ戦では第1節で勝って、そこで意識が変わったんです。個人的な能力が上がったわけではないです。チームとしてのそれぞれの役割が明確になって、全体もコンパクトに、間延びしない約束事が徹底された。攻撃でも、最後のパスがうまくいかないところから、ラストパスをゴールまでつなげられるようになっていきました。それが、チームの自信になっていったんです。その中でも、唯一、負けてもおかしくないな、と思ったのがクスコでの試合で、0-1で負けました(21日の第4節・レアル・ガルシラソ戦)。でも、それ以外は勝ち点を積み上げています。決して悪くない。あえて言うなら、最後の2試合で勝ち点を取りきれずに引き分けで終わったことは残念です」
ーーあの有名なクスコ(世界遺産になっているインカ帝国時代の首都)でも試合をしたんですね。
「3,000m以上のところで試合をしました。標高も計れる時計を持っているから、どのくらいの高さにいるか分かるんです。まあ、澤メーターってヤツかな(笑)」
ーーあ、それニュースで見ました! 5分間で4選手が退場になったと。
「そのチームと次の試合で試合したんですよ(笑)。この試合でも両チーム1人ずつが退場しました」
(BLOGOLA編集部)
2015/06/02 07:01