今月11日のキリンチャレンジカップ・オマーン戦(カシマ)と15日のロシアW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦に臨む日本代表25名が発表された。
現在、ドイツのケルンで先発出場を続けるFW大迫勇也が約1年半ぶりの代表復帰となったほか、スイスのヤングボーイズで好調を維持するFW久保裕也がハリルジャパンに初選出。さらに今夏のリオ五輪日本代表でプレーし、現在G大阪でハイパフォーマンスを続けるMF井手口陽介が代表初選出を果たした。一方、現在負傷中のFW武藤嘉紀(マインツ)やFW小林悠(川崎F)、MF大島僚太(川崎F)は負傷の影響もあり選外となり、またFW宇佐美貴史(アウクスブルク)、MF柏木陽介(浦和)、DF太田宏介(フィテッセ)も今回は招集されなかった。
先月の代表招集時の会見でも話題に上がった大迫が、久しぶりに代表に戻ってくることになった。「昨季まではクラブで出場機会が少なかった。いま、得点を取っているのは間違いないが試合に出始めたばかり」と、招集に慎重な姿勢を見せていたヴァイッド・ハリルホジッチ監督だったが、今回は納得の選択となった。
「大迫を選んだのはロジカルな理由。常に試合に出ているから。彼と競争させたいのは武藤ですが、現在けがをしている。大迫は常にわれわれのリストに入っていた。いまは先発でプレーして、よりゴールに近付けるように、そして点を取るようになったと思う。さらに得点率を上げてほしい」(ハリルホジッチ監督)
現在、ケルンでは2トップの一画としてプレーする大迫だが、実際は引いた位置に下りる場面も多い。一方、ハリルホジッチ監督はFW3人の中央でのプレーを要求するつもりだ。
「クラブでやっているポジションは、代表で求めるところとは違う。われわれが探しているのは、より前の位置で得点を取れる選手。大迫がそこでプレーすることで、(ライバルになる)ほかの選手も点をとってほしい」(ハリルホジッチ監督)
今回のメンバーで1トップ候補として考えられるのが、岡崎慎司、浅野拓磨、そして先月の豪州戦で約4年ぶりに代表で1トップに起用された本田圭佑。その中で、大迫が持つアドバンテージを指揮官はこう考えている。
「大迫はほかの(FW候補の)選手より力が強い。フィジカルのクオリティーが高く、ヘディンも強い。ゴール前、16mのエリアに入っていくようなプレーを求めたい」
ディフェンスラインとの駆け引きに長けている岡崎や、相手の背後のスペースをスピードで突く浅野、さらによりMF然とプレーすることで周囲を生かす本田と特徴が分かれる中、大迫はクロスからのヘディングやポストプレーなども得意。また一瞬のスキを突いて足を振り抜くシュート力もあるなど、いまの代表に新たな武器を与える存在になり得る。
「ほかのFWとは違うプレーができる」と、指揮官が期待を込める大迫。2年前のブラジルW杯にも出場したストライカーが、満を持して代表に復帰する。
西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/11/04 17:53