日本代表FW浅野拓磨が、15日のロシアW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦での先発出場にアピールした。
浅野は11日の親善試合・オマーン戦で後半途中から出場。得点はなかったが、投入直後のプレーでチーム3点目となるPKを獲得する鋭い動きを見せた。さらに右サイドのアタッカーだけでなく、終盤は2トップの一角でプレーし、チーム4点目となった小林祐希の得点の起点にもなった。
今夏よりドイツ2部・シュツットガルトに移籍。今回の代表合流前には移籍後初得点を挙げ、オマーン戦でも好調ぶりを発揮していた。
そんな浅野は、大一番のサウジアラビア戦に向けて具体的なプレーイメージを描いている。
「まずはしっかり前から守備のスイッチを入れたい。高い位置でボールを奪えたら一番良い。サウジアラビアのDFは前には強い選手がそろっている印象だけど、後ろに対して速いとか強いというイメージはない。そこは一回自分が下るフリをして前に出たりとか、駆け引きをしながら特長を出していけば、相手もイヤになってくると思います」
オマーン戦では本田圭佑が右FWで先発したが、試合後の会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督は本田の出来に満足できないという趣旨の発言を残していた。そんな中、今回浅野は本職の最前線だけでなく右サイドアタッカーとしても考えられ、実際に練習でも同位置に入ることもある。本人も右サイドのポジションについては、こう述べている。
「元々苦手なポジションではなかったですけど、サイドでボールを持ったときには自分の特長が生きるポジションだと思っています。代表では最初は緊張などでうまくプレーできなかったけど、少しずつ自分のプレーを出せるようになってきている。裏のスペースへの意識は常に持っているし、スペースがない場合もオマーン戦でPKを獲得した場面のように前を向いていくなど、徐々に工夫していけば良いプレーができる。真ん中のポジションだけでなく、与えられた役割の中で自分を出したいです」
浅野の爆発的なスピードでサウジアラビア守備陣を切り裂く。それが実現すれば、日本の勝利が近付く。この大事な一戦を、彼は気負うことなく迎えようとしている。
「一番大事なのは、自分の動き出しが0.1秒でも遅れないこと。パスを出してくれる選手がたくさんいるので、そこは信頼しています。まだ先発かどうかは分からないけど、自分はスタートで出る準備を常にしています」
今夏、リオ五輪で2得点を挙げた日本の新エース候補。サウジアラビアとの大一番で、浅野お決まりのジャガーポーズが炸裂する。
文:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/11/13 21:28