今週もいろいろあった南津守練習場。大宮戦に向けたPV原稿に載せ切れなかったこの1週間の出来事で、“これは”と思ったトピックを、時系列で紹介していきます。
まず、週明けでホットなニュースと言えば、後藤寛太選手の(ゲスト)解説デビューでしょう。11日に行われた、高校サッカー選手権兵庫県大会予選決勝の、中継ゲスト解説として後藤選手が呼ばれました。クラブにオファーがあった直後は、「嫌ですよ。『何なの?あのしゃべらない(ゲスト)解説者!』とか言う苦情が局にいっぱい来ますよ?(苦笑)」と、彼独特のテンションで拒否する構えでしたが、「解説者はちゃんといるし、寛太は別に詳しく解説しなくてもエエねんよ。自分の高校時代とかのことを話せばいいから」といった広報さんのフォローもあり、渋々といった感じで受諾しておりました。
中継をご覧になられた方もいると思いますが、さすがの頭の回転の速さで、そつなく、こなしていましたね。本人に感想を聞くと、「打ち合わせにはなかった実況の方からのキラーパスに、若干焦りました(笑)」とのことでしたが、無事に終えた様子でした。
一方で、残念なニュースとなったのは、仙台戦翌日の練習試合で、吉野峻光選手が全治7カ月の負傷をしたことです。レヴィー・クルピ監督になって以来、「めちゃやりやすいし、サッカーが楽しい」と話し、実際に試合でも、流れを変える貴重な役目を果たしていただけに、このタイミングでの長期離脱はもったいなさが募ります。
負傷後、初めて吉野選手と顔を合わせると、開口一番、「やっちゃいました…!」と一言。記者は負傷した練習試合を取材していなかったので、その時の様子を聞くと、「負けている状況で1人少なくて、少し熱くなってしまいました。相手3人くらいに囲まれた時、抜こうと思ってステップを踏んだ時にやってしまいました」とのことでした。
勝ち気な性格がアダとなったのですが、「7カ月は長いようで短いから、けがした時にしかできないことを頑張って。キヨくん(清武弘嗣)も(キム・)ボギョンもC大阪でけがした時期はあったけど、2人ともパワーアップして帰って来たから」と伝えると、「俺、けがが多いんですよね。でも、この期間にやれることをやって、いい時間だったと思えるようにしたいです」と明るく話してくれました。どんなときでもポジティブな姿勢を失わないところが、吉野選手の良さでもあります。
今週の練習で、サポーターから多くのプレゼントを受け取っていたのが杉本健勇選手。大宮戦翌日の18日が20歳の誕生日であり、大宮戦が10代最後の試合となります。第31節の仙台戦では腰を打撲し、負傷退場しましたが、「もう大丈夫」とのこと。バースデーゴールへの期待が報道陣から飛ぶと、ニヤッと笑い、「キヨくんも決めましたしね。キヨくん、持ってるなー(笑)」と一言。11月12日が23歳の誕生日であった清武弘嗣選手が、14日に行われたW杯最終予選・日本対オマーン戦で代表初ゴールを決めたことに触れ、「自分も決めたいですね」と話していました。
この清武選手の代表初ゴールの話題も、15日に上りました。「試合自体は見ていなかった」というクルピ監督も清武選手の得点はチェックしており、「キヨが決めたことは本当にうれしかった。彼に足りないのは得点力だけだから」と話しておりました。
C大阪で最も清武選手と仲の良かった山口螢選手も、「まだ直接連絡は取っていないですけど、喜んでいるんじゃないですか。僕もうれしかったです」とコメント。ちなみに、山口選手は、別の媒体で日本対オマーン戦のスコアを2-1と予想しており、見事的中した形になりました。「やっぱり中東のアウェイは何が起こるか分からないし、国内でやるのとは違いますから」と自身の体験も踏まえての予想だったようです。「それでも、あの土壇場で勝ち切ったのはすごい」と代表の戦い振りに感銘を受けた様子でした。
最後に、今週の練習で多くの関心を集めたのが、“2種登録の南野拓実選手がデビューなるか”という話題です。連日、トップチームの練習に参加しており、大宮戦でのベンチ入りは決定的です。南野選手について、クルピ監督は、「トップでも十分にやれる力がある。あとはタイミングだけであり、そのタイミングが今回来るかもしれない。そうなっても、自信を持って送り出せる。彼にはまだ、『拓実の夢は何だ?』と聞いていないので、今回の前泊の際にでも聞いてみようと思う」と話していました。
15日の全体練習後には、チーム最古参であり、C大阪を裏で取りまとめている(?)酒本憲幸選手が南野選手と2人で、10分ほどランニングしながら談笑している場面もありました。南野選手の緊張を和らげようとする酒本選手の気遣いが伝わってきました。
「大した話はしていないですよ(笑)でも、年の差がすごいです。自分がプロに入った時、あいつはまだ小2やったみたい(笑)でも、ピッチに入ったら落ち着いているし、頼もしいですよ。またすごい選手がトップに上がってきたな、という感じです」(酒本選手)
いろいろな話題を盛り込みましたが、週末の大宮戦は、C大阪にとって、“勝てば残留が決定する”大一番です。上記に挙げた選手だけでなく、もちろん選手ひとりひとり、この試合にかける気持ちは強いです。チーム全体の力を結集して勝って、仙台戦での退席処分によりこの試合のベンチに入れないクルピ監督に、吉報を届けたいです。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/11/16 15:45