
今季、ここまでリーグ戦で7得点を挙げているケンペス選手ですが、期限付き移籍の期間満了である今季終了を待たずして、C大阪を退団する運びとなりました。
C大阪とポルトゲーザ(期限付き移籍元)の協議の結果、来季の契約を更新しないこと。また、両クラブ合意の上、今季の期間満了を待たずしてケンペス選手がブラジルへ帰国し、ポルトゲーザへ復帰すること。以上のことが、16日、C大阪より発表されました。
同日、荷物整理のためにクラブハウスを訪れたケンペス選手に話を聞けました。
─突然の発表で驚きました。
「自分にとっては、必ずしもサプライズという訳でもないです。というのも、ポルトゲーザとC大阪の契約の中に、10月中に来季に向けての契約を延長する・しない、という返事をする条項が入っていたからです。そういうことがあったので、今月中には、来季に向けての話し合いがあることは、あらかじめ分かっていました」
─C大阪との契約が延長されない結論に至れば、10月中にチームを去ることもあると思っていた、ということですか?
「その可能性もある、という気持ちではいました。C大阪としても、来季に向けてのチーム作りを考えると思うし、自分自身もブラジルに早く帰ることで、来季に向けてより良い準備をすることもできます」
─来季を見据えた上での、お互いにとって円満な別れという訳ですね?
「そうです。決して口論になったとか、けんか別れではありません。お互いにとって、ベストな選択をしたと思います。お互いの立場を尊重した上で、こういう結論になりました。レヴィーが来てから状況も良くなり、ある程度、降格が現実的ではない状態にもなったので、今回の結論に至った部分もあるかと思います」
─ここまでのシーズンを振り返ると?
「自分にとってもC大阪にとっても、厳しいシーズンとなってしまいました。もっともっと、自分の持てる力を発揮する必要がありました。ただし、“ピッチに立った時は、常にベストを尽くしてきた”ということは、自信を持って言えます。チームのために、自分なりに貢献できたとは思っています。ただ、ゴール数は足りなかった。そして、そのための運も少しばかり足りなかった。調子がいいときは、シュートがポストに当たっても入るものですが、今季はポストに嫌われる回数が多かった。そういう部分が全て入ってゴール数が増えていれば、来季の契約も違った形で進んだかもしれません。ただし、この1年を振り返ると、未来が明るいチームの中で、さまざまなことを学ばせてもらいました。決して苦いことばかりではなかった。日本という国で、いい思い出もできました」
─さまざまな思いがあるかと思いますが、C大阪サポーターへ向けてメッセージを頂けますか。
「サポーターへは、感謝の気持ちでいっぱいです。試合のたびに自分の名前を呼んでもらって鼓舞してくれた経験は、絶対に忘れません。彼らの温かさが伝わってきたからこそ、自分も彼らと共に、ピッチで戦えました。ケンペスと言えば、“戦う選手”だったという部分は、思い出してもらえるのではないかと思います。サポーターの皆さんには、僕だけではなく、僕の嫁や息子も優しくしてもらったので、この場をお借りして、感謝の気持ちを伝えたいと思います。短い期間でしたが、ドウモアリガトウゴザイマシタ!」
最後まで紳士で穏やかなケンペス選手でした。献身的な姿勢で守備にも手を抜かない姿が印象的な、憎めないキャラクターの持ち主でもありました。プレー面では、“助っ人FW”として、決定力こそ物足りなかったですが、本人も話しているように、運もなかったと思います。シュートをポストに当てた回数が非常に多く、その内の半分でも入っていれば、今頃とっくに10点は越えているでしょう。来季、どこでプレーすることになるかは、「まだ分からない」(ケンペス選手)とのことですが、来季以降の幸運を祈りたいと思います。
それにしても、今季のC大阪は、選手、スタッフの出入りが非常に激しいですね。先日の天皇杯でブランキーニョ選手を敵として迎えたかと思えば、今度はケンペス選手も今季満了を待たずしての別れとなってしまいました。これで、今季の開幕時の1トップ3シャドーが全ていなくなってしまいました(苦笑)。ただし、「今いる選手にとってはチャンス」(レヴィー・クルピ監督)でもあるということ。ケンペス選手の退団により最も期待されるのは、杉本健勇選手です。「ケンペスの分まで残り試合をしっかりプレーしたい」と話す彼の気持ちについては、いずれまた原稿にしたいと思います。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/10/17 12:24