SBSカップ国際ユース大会第1日
「U-18日本代表 2-0 U-17ウルグアイ代表」
SBS杯国際ユース大会が15日、静岡県内を舞台に開幕した。日本からは地元・静岡ユース(静岡県U-18選抜)とU-18日本代表が、海外からはU-18ロシア代表とU-17ウルグアイ代表が参加している。
同大会は1977年に創始され、今年で37回目を迎える伝統あるカップ戦だ。そもそもは日韓の高校交流大会としてスタートし、その後は静岡県選抜(少年男子)の国体に向けた強化大会として活用されるようになった歴史的経緯を持つ。第5回大会(1981年)からは年代別日本代表が参加するようになり、黎明期の日本サッカーにとって、有望選手が貴重な国際経験を積む場となっていた。W杯開催を経た第26回大会(2002年)からは、海外から招くチームは、クラブではなく各国の年代別代表チームとなり、また国体の年齢制限変更(18歳→16歳)により静岡選抜の強化という目的が薄くなったこともあり、より代表の強化大会としての色が濃くなってきている。
今大会に参加した年代別日本代表のカテゴリーは「U-18」。1995年1月1日以降に生まれた選手で構成される日本代表で、目指すタイトルは2年後、2015年に開催されるU-20W杯だ。日本は過去3大会連続して同大会への出場を逃しており、日本サッカー協会サイドも「これ以上逃すわけには!」という危機感十分。協会の外から、かつて磐田を率いて黄金時代を築いたことで知られる熟練の指導者・鈴木政一監督を招き、強化に励んできた。
鈴木監督は「ただ結果を残すだけではダメだと思っている。結果を出した上で、五輪やA代表に入っていける、そんな選手にしていきたい」と口癖のように繰り返し話してきた。掲げるメインコンセプトは「仕掛け」。「個人でも、グループでも、“しかけて点を取れるチーム”でありたい」と話している。そのうえで、このSBS杯を「10月8日に始まるアジア1次予選のシミュレーション大会。内容と結果の双方を求める場」とし、「(選手を試す大会ではなく)ベストのメンバーで3試合を戦う」と明言している。
この日の初戦の相手はウルグアイ。前日にA代表の守備を木っ端微塵に打ち砕いた南米の伝統国である。今回は一つ下にあたる「U-17」での来日。彼らにとって今大会は、秋に控えるU-17W杯の準備大会である。ファビアン・コイト監督は、日本の暑夏を含めた「厳しい状況での試合を経験すること」自体を大会の目的に掲げている。
そして、この試合の勝者は日本だった。26分に右SB広瀬陸斗(浦和ユース)のクロスからFW金子翔太(JFAアカデミー福島、清水加入内定)のヘッドで先行すると、直後の27分に迎えたピンチはGK高木和徹(清水ユース)のビッグセーブでしのぎ、逆に29分にも中央でのパス交換から、最後は金子のパスを受けたMF関根貴大(浦和ユース)が追加点。この5分間の攻防で試合の流れは決定的となり、2-0のまま逃げ切りに成功。前日に兄貴(A代表)は敗れていたが、この日は弟(U-18代表)が力強く勝利。その仇を討つ格好となった。
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/08/16 15:23