過去のU-18代表に比べてチームとしての立ち上げが遅かったにもかかわらず(今回は鈴木監督の契約の問題もあり、3月末に始動。従来は1月か2月)、仕上がりはかなりスピーディーだ。たとえば、結成以来ほぼ固定されている内山裕貴(札幌U-18)と三浦弦太(大阪桐蔭高→清水)のCBコンビは完成度を高めており、「お互いの特長がハッキリしていて、すごくやりやすい。三浦くんはつぶす強さがあって、僕はカバーリングが得意。コミュニケーションもうまく取れています」(内山)と、選手の感触も良好だ。この日は相手FWへのプレゼントパスでピンチを招くなど反省材料もあったとはいえ、信頼感が揺らぐとは思えない。予選もこのコンビが軸だろう。
この二人、「フィジカルは相当あったし、南米らしい巧さもあった」(内山)ウルグアイのFW陣に対したこの日、“やられそう”なシーンも確かにあった。内山が反省の弁を漏らしたように相手FWへCBがプレゼントパスを送った決定機を招くような絶対にやってはいけないようなミスもあった。ただ、二人の良さはそこで折れるようなことなく、チャレンジのパスを入れ続けるし、やられそうになってなお、もう1回奪いに行く姿勢を示せる点だ。二人とも技術的に恵まれた好素材なのだが、それ以上にメンタル面で折れないタフネスを示せるその点に、魅力を感じる。CBは真面目な選手が多いので、どうしてもすぐに「しゅん」としてしまうタイプが多いのだが、明るいキャラの三浦にしても、この内山にしても、その心配はなさそうで、そこが頼もしい(ついでに、試合を観ていても楽しい)。
今後に向けてあえてネガティブな面を挙げるなら、道産子・内山が「札幌でこれはあり得ないっすよ! 30度超えとかまずないっすから!!」と嘆く暑さへの対応だろうか。だが、「札幌では、あえて厚着してプレーするなど対策に取り組んできました。その効果があったかは分かりませんが、何にせよ気持ちです。気持ちさえあれば、体なんていくらでも動くんですよ!」と、根性でカバーする腹づもりだ。
(photo: Tomonori Hoshi)
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/08/16 15:23