「お菓子なんか食うな!」と怒鳴るなどすごみのあった兵働昭弘先輩は、約10年後、目の前でチョコをおいしそうに頬張っていた。
八千代高時代は一つ上の偉大な先輩。11年に柏で再会した際には、接しやすい“いい兄貴”になっていた。中島崇典にとって、兵働とはそういう存在だ。
昨秋に負った全治10カ月の大けが(右ひざ前十字じん帯損傷)を乗り越え、9日の練習試合・大宮戦では80分ほどプレーした中島。まだ状態は100%ではないが、メンバー入りも視野に入ってきた。今節は兵働のいる千葉戦。中島が本職である左SBで出場すれば、兵働と対面することになる。
「出たら、削るっしょ。(千葉の)右はヒョウさん(兵働)が全部起点になっている。あの人にボールが入ったらいろいろやられるから、できるだけボールが入る前につぶしておきたい」
楽しみな対決だが、偉大な先輩は強力だ。ただ、弱点も知っている。
「弱点は…トーク力!」
断言をしてみたものの、少し不安な表情を浮かべていた中島だった。
(横浜FC担当 田中直希)
2013/06/11 17:52