甲府は選手が自発的にコミュニケーションを取っているチームだ。羽生直剛に聞くと「甲府は選手の中で決めている部分が多い」し、城福浩監督は「それを許してくれる、判断を大事にしている監督」だと言う。
前節の横浜FM戦のハーフタイムにも、こんなことがあった。0-1とリードされたキックオフ前の円陣で、羽生は「最後の残り5分とかで1点取れば1-1になる。それで勝ち点1を持って帰れるんだから、慌てないようにしよう」と声をかける。するとベテラン土屋征夫や、キャプテン山本英臣も「そうだな」「そうしよう」と呼応。「みんなが思っていたことを、僕が先に言っちゃったみたい」と羽生が苦笑するほど、ベテラン選手たちの“読み”は一致していた。
選手たちはそのとおりに粘り強くピンチをしのぎ、95分に同点に追い付いた。まさに「経験している選手が、チームのリズムを狂わせなかった。自分たちから崩れないようにした」(羽生)という実例だ。
(甲府担当 大島和人)
2013/05/01 19:10