早稲田大5年生の畑尾大翔が17日から、プロ契約を懸けて甲府の練習に参加している。畑尾はFC東京U-18、早大ア式蹴球部で主将を務め、その力強いプレーと統率力で高く評価されていたCB。大学卒業後も当然のことながらJリーグ入りを有望視されていた。しかしそんな彼が身体の異変に気付いたのは、最終シーズンを迎える12年春だった。
「全然動けず、試合後に咳が止まらない」という体調が続き、5月に病院へ向かうと「その日に入院しろと言われた」(畑尾)。病名は肺の塞栓症。肺の血管が詰まる重病だった。その後も「どうなるか分からない。もしかしたらサッカーができなくなる可能性もある」(畑尾)という不安な日々が続く。しかし畑尾の症状を手術で治癒させられることが13年夏に判明した。9月に岡山県内の病院で手術を受けた後は、咳も出ていないという。就職活動も視野に入れて籍を残していた大学は、今春で卒業する。
畑尾にとって甲府は顔なじみの多いチームだ。大学選抜でともにプレーした選手がそろい、井澤惇はFC東京U-18の1年先輩。城福浩監督、小倉勉コーチにはU-17代表で指導を受けている。手術後は早稲田大、早稲田ユナイテッドなどの練習に参加してコンディションの回復に努めてきたが、「体力面は、まだまだ付いていけない」(畑尾)のが現状だ。しかしそんな中でも旧知の指導者、選手と一緒にボールを蹴る機会を得て「結構ワクワクで来た」と畑尾は口にする。
(甲府担当 大島和人)
2014/03/17 19:24