2013年まで柏レイソルで活躍した澤昌克選手は、現在ペルー1部リーグのデポルティーボ・ムニンシパルでプレーしています。このインタビューシリーズでは、地球のほぼ反対側でプレーする澤選手の“いま”を、澤選手ならではのエピソードも交えてお伝えしていきます。また掲載の間隔が空いてしまった第6回目は、「歯もマスコットになるペルーリーグのシーズン終了。ペルーのCSはどんな形式?」。ついにペルーリーグも1シーズンが終了。振り返っていただきましたが、すぐに話が脇道に逸れて…。(写真提供:澤昌克)
6位フィニッシュ。スダメリカーナ進出!
--日本くらい早いですね…。
「ただ、チャンピオンシップは開催されている途中です。前期優勝、後期優勝、カップ戦優勝、通算勝ち点1位の4チームが戦うチャンピオンシップです。首都のリマのチームも残っているから、チャンピオンシップは盛り上がるんじゃないでしょうか。日本は地方クラブでも人を呼べるけれど、ペルーでは、なかなか人が集まらないんですよ。人気は、偏っています。地方のクラブでも、経済的に恵まれているクラブはいい選手がいて勝てる。ただ歴史が浅いから、サポーターの数が少ないんです。例えばサン・マルティン大学のチーム(ウニベルシダ・サン・マルティン)のサポーターは数人しかいない。ちなみにサンマルティン大学のマスコットは、歯! ピッチ横では歯が踊っているし、歯が悲しんで、それに喜んでいます(笑)。それと、サポーターと、選手の家族。100人くらいなんですよ、観客が…」
--マスコットが歯…。まさか本当にそんなことが…HPにありました! 本当に歯だ!(本当に歯)。ペルーは何でもありですね。話は戻しまして…コパ・スダメリカーナ出場権獲得、おめでとうございます!
「これは本当に大きい! チームは30年以上、国際舞台から離れていたんです。歴史的な快挙と言えます。スダメリカーナは、リベルタドーレスが始まるもっとあと、夏に始まります。だからそこまでチームを完成させる時間もある。そういう意味ではいいですね。スダメリカーナに向けていきなり補強してチームがまとまっていないで臨むより、国内の試合をやってチームを完成させられるというメリットがあります」
--6位での進出なんですよね。
「チャンピオンシップで1位と2位になったチームが、リベルタドーレスに出場できます。3位はプレ・リベルタドーレスに。そして、4位から7位がスダメリカーナに出られるんです。俺らは、6位に入った。前期の貯金が大きかったですね。前期と同じようにしていれば、4位以内に入ってチャンピオンシップの可能性もあったとは思いますが、チームの選手層も薄かったので。昇格したチームの前期ということで、相手も対応しきれていなかったんだと思います。でも、後期では2巡目で状況が変わりました。それに、3,000mとか、標高の高いところでの試合も増えた。やっぱり平地のチームが高地で戦うときはは厳しいですね。まあ、高地のチームも平地に来ると意外と動けないんですが…。高地は酸素濃度が薄いから、慣れることはできるけれど、そのぶん筋肉量が減るんです。圧力が少ないから。ただ平地だと、普通の空気濃度と湿気の多さで体が重くなって、高地に順応している体だと逆に動けなくなります。高地の選手は、低地では動けない。高地だと、平地の俺らが動けなくなる…。水の中の魚と、溺れている魚くらい、本当に違うんです。2,500mくらいなら気合いでできるけれど、3,000mを越えると厳しいです…」
(BLOGOLA編集部)
2015/12/12 22:23