5月26日、27日発売の本紙1453号から始まった、『[総力特集]本田圭佑、孤高のエースの“10年戦争”』。2日、3日発売の1456号では中編が掲載されるが、その前に前編をここで掲載する。名古屋グランパス時代の本田はどんな男だったのか、そしてどんな発言をしていたのか。貴重なエピソードとともに、彼の『原点』に迫る。
欧州挑戦前夜。そこにある原点
W杯優勝という大きな目標を掲げ、ザックジャパンをけん引する本田圭佑。プロ入り後10年目、27歳で迎える2度目のW杯は彼にとっても一つの集大成と言える。そこで今号から3章に分けて本田のこれまでの軌跡を追う。前編は名古屋グランパス時代。彼は何を考え、何を目指していたのか。そこから本田圭佑の“原点”が見えてくる。
文・西川 結城
真っ赤なコートに身を包んで
2007年12月。名古屋グランパスのクラブハウス横にある駐車場で、本田圭佑は自分へのご褒美を前に嬉々として声を上げていた。
「これ、めっちゃイケてません? カッコええですよね。これ着て、向こうでも歩こうかなと思っていて」
手にしていたのは、真紅の革のロングコート。その値段は伏せておくが、ここから戦いの舞台に出て行く自分に気合いを入れるためにも、購入したものだという。それから数カ月後、TV画面にはオランダの地で髪を金色に染めた本田が、赤いコートを羽織って颯爽と歩く姿が映し出されていた。
日々、頭の中で思い描いていた欧州挑戦。その第一歩は華々しく、そして本田らしく派手さにも満ちた様子だった。
(BLOGOLA編集部)
2014/06/01 12:18