日本サッカー協会は10日、2016年のリオデジャネイロ五輪を目指すU-21日本代表の監督に、仙台の手倉森誠監督が就任することを発表。また、今季をもって仙台の監督を退任することもあわせて発表された。
手倉森監督は白幡洋一・株式会社ベガルタ仙台代表取締役社長とともに仙台市内のクラブハウスで会見した。ここ数週間は報道陣が少なかったが、この日は会見場を埋めるほどの報道陣が集まり、関心の高さをうかがわせた。
まずは白幡社長から、10月上旬に日本サッカー協会から正式なオファーがあったという経緯を説明。「シーズン途中のことなので悩み、常勤の役員とも相談した」うえで、本人のチャレンジする意欲を汲み、「クラブとしても光栄なこと」として送り出すこととした。
なお、白幡社長は後述の質疑応答の場で手倉森監督が複数年契約だったことを明かし、後任については現在までに同監督が培ってきたものを「発展させられるような人物を、強化部長とともに探したい」と話し、現時点では白紙とした。
手倉森誠監督の来シーズン指揮について(クラブ公式)
以下、手倉森監督の挨拶と質疑応答の一部抜粋。
手倉森誠監督
「このたび、リオ五輪の代表監督に正式決定しました。シーズンなかばに、一部の報道でそういう噂が流れ、自分の頭の中ではたくさんイメージするものができ上がっていました。実際に正式なオファーが来て、正式な話を聞いたときに、条件云々の細かいものはありましたけれども、それよりもまず、日本のためにトライしてみようという気持ちに駆られて、数日真剣に考えたあと、原(博実)技術委員長には昨日(9日)『ぜひやらせてほしい』という話をしました。
このリーグ戦の合間にああいう報道が出たこと、そして今回に正式決定して記者会見をする運びになったことに対して、選手たちとも、スタッフとも話をして『もしこの話が本当にまとまるようなことがあれば、自分は最初にスタッフや選手に話をしたい』という話をして、実際に今日に決まったときには、このシーズンにはっきりしてみんなと仕事をしていきたいという思いで『このタイミングでもいいんじゃないか』という話を原技術委員長とも話をして、今日になりました。
長くベガルタ仙台に関わってきて、監督6季目でいろいろなことがあったなかで、もちろん自分の中ではJで監督をしながらも日本サッカー界のために仕事をしているんだという意識でやってきたなかで、実際にその仕事が評価されて正式なオファーが届いたことに対しては、『何かに導かれたんだろうな』という思いと、一緒にこれまで関わってきた人たちによってここまで押し上げられたという思いがあります。
Jで監督をしていればもちろん、代表での仕事は夢のようなものがあって、自分自身は『仙台で監督をしていれば、そのうちそういう話があるんじゃないか』と嫁と話をしていたのですが(笑)、実際にそういうことになって嫁も驚いています。『5年以内にACLに出る』と言っていて実際にそれが実現しているあたり、やはりしゃべってみるものだなと感じています(笑)。
今回、こういったかたちで正式発表をしているわけですけれども、残りの試合6戦と天皇杯で有終の美を飾るべく、そちらに集中してやっていきたい。そしてシーズンが終わってから、また原技術委員長と細部のところを詰めて、日本のための仕事というものを、そのときから描いていければいいなと思います」
(仙台担当 板垣晴朗)
2013/10/11 07:00