平成25年7月15日(月・祝)
「U-18日本代表 0-2 東洋大」
暑い、暑い日差しの下、U-18日本代表が味の素スタジアム西競技場にて、東洋大と練習試合を行っていた。
筆者は大変遺憾ながら、京王線の事故により遅刻。開始10分から見始めたのだが、いきなり動きが悪い。それもそのはず。13日夜に中国から帰ってきて、14日午前に大宮との練習試合をこなし、さらにその翌日がこの試合だったのだ。「疲れ切っていました」と漏らす選手もいた。さらに中国帰りに腹を下して発熱する選手も続出。この試合は人数不足になっていたほど。逆に言うと、鈴木政一監督は、そうした環境下でも「やれる」選手がいるかを見極めていたとも言えるだろう。
そうしたタフな中国遠征を含めて鈴木監督から高い評価を得た選手の一人が、名古屋のDFハーフナー・ニッキである。
身長197cmの超大型DFは、この世代の注目株。チーム立ち上げ時のメンバーには、当然のように名を連ねた。だが、その合宿でのプレーが原因で、一度は構想外に。今回も辞退者が出たことによる繰り上げ選出だった。
最初の合宿についてハーフナーは「名古屋のやり方をやってしまった」と猛省している。名古屋のCBはステイが基本で、ボールにアタックしない。ペナルティーエリア内まで後退して、「最後に跳ね返せばいい」という形で守る約束事だ。ただ、代表は片方のCBがボールにチャレンジする形が基本。ずるずる下がっていくのは厳禁だ。ミーティングでの指示に反して、何となくチームでのやり方をやった結果、周囲とも噛み合わず、失点の原因に。いったん選考から外れることになった。
だが今回は「代表は代表。完全に頭の中を切り替えてやりました」と自ら語るようにアグレッシブな守備を見せて評価を高めた。さらに「自分の持ち味だったはずなのに、トップチームに上がってからは周りに遠慮して忘れていた」というコーチングも代表でのプレーを通じて取り戻していた。ビルドアップの部分など、まだまだ課題はあるが、しかしやはり、ハーフナー・ニッキはクレバーな選手であるということを再認識させられる合宿となった。
また、多くの選手が下痢で倒れる中、「僕は大丈夫でした」と胸を張る胃袋の頑健さを示したことも、追記しておくべきだろう。
なお、明日発売のエル・ゴラッソ本紙では、U-17日本代表の国際ユースIN新潟のレポートと、このU-18日本代表についてのレポートを掲載している。興味のある方は、ご一読いただければ幸いである。
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/07/16 18:05