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シティはCL絶好調。トゥヘルとシメオネのせめぎ合いにも要注目

　欧州一のクラブを決める大会、UEFAチャンピオンズリーグは今季も非常にレベルが高い。

　優勝候補としてよく名前が上がるのは、イングランドの強豪マンチェスター・シティだろう。現在、リーグ戦でも首位に立つが、今季のシティで際立っている部分はなんといっても守備力である。夏に加入したポルトガル代表DFルベン・ディアスは、身体能力、インテリジェンス、ビルドアップ能力、すべてがワールドクラスのCBであり、彼の加入でシティの最終ラインのクオリティは激変。呼応するかのようにイングランド代表DFジョン・ストーンズも長い伸び悩みの期間から脱却して粘り強い守備をみせるなど、堅牢な守備ブロックを形成できるようになった。

　その結果、今季のCLではグループステージ６戦で１失点のみ。ラウンド16の第一戦でも、丁寧にボールをつなぐ攻撃的サッカーを志向するぼるボルシアMGを無失点に押さえて２－０で勝利を収めている。そんな堅い守備に加えて、SBの枠組みを超えて自由に動き回ってパスワークに参加する技巧派サイドバックのジョアン・カンセロ、パスワークに絡みつつ抜群のタイミングでボックス内に入り込みストライカーのようにゴールを奪うギュンドアンなど今季は攻撃陣も思わぬ成長を遂げた面々が多い。

　これまでの攻撃陣の核だったトップレベルのチャンスメイカーであるケビン・デ・ブライネやドリブラーのラヒーム・スターリングに依存しないサッカーが完成している。このチームこそは、今季は早めのラウンドからチェックしておきたいところである。

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　チェルシーも現在、目が離せない存在である。OBのフランク・ランパード政権下では迷走したブルーズだったが、ドイツの知将トーマス・トゥヘルが新たに監督に就任して以降、チームは劇的に良化した。３バックで後ろから丁寧につないでポゼッションするチームは、得点方法こそ現在進行系で模索中だが、特筆すべきはシティ同様に守備だ。攻守の切り替えが早くチーム全体がハードワークを欠かさない上に、ワールドクラスの守備範囲の広さで中盤のフィルター役を務めるエンゴロ・カンテが存在し、３バックには36歳になってもまったく衰えを見せない伸びのある身体能力と、鋭い読みで相手の攻撃を完璧にストップするチアゴ・シウバもいる。そして抜群の守備センスで対人戦からカバーリングまで完璧にこなすセザル・アスピリクエタも最後方で待ち構えるのだから守備は鉄壁だ。

　対するアトレティコ・マドリードは第一戦ではケガ人が多く、戦術的な選択肢が少なかったため６バックでドン引きするという衝撃の戦い方を見せたが、本来は未だに世界屈指の得点の嗅覚を持つルイス・スアレスや、非凡なテクニックとシュートセンスを持つジョアン・フェリックス、彼らを中盤の位置からゲームメイクするサウール・ニゲスなど攻撃面でのタレントも豊富だ。そんなアトレティコが０－１で折り返した第二戦でどんな攻撃的姿勢をみせるのかに注目である。

　昨年王者のバイエルン・ミュンヘンも不気味な存在である。過密日程の影響か、去年ほどの圧倒的な強度のハイプレスを持続できるかは不明だが、それでも現時点では最強の万能型FWロベルト・レバンドフスキを頂点に配置しつつ、２列目に圧倒的な突破力を持つレロイ・ザネ、 セルジュ・ニャブリらを配置する攻撃陣は魅力で、ラウンド16の第一戦ではラツィオに４－１で快勝している。第二戦でもどんな破壊力を見せるのか。

　レアル・マドリードも、今季は絶好調とは言い難い状況かもしれないが、ゲームメイカーのトニ・クロース、ルカ・モドリッチらの能力は非常に高く、彼らのゲームコントロール能力からは目が話せない。相手に退場選手が出たとは言え、ラウンド16の第一戦ではアタランタに１－０で堅実に勝利を収めている。

　こう考えるとどの試合を見てもトップレベルの選手たちが各チームに名を連ねており、どれも見逃せない試合ばかりだ。ラウンド16セカンドレグも世界最高峰のプレーから目が離せない。（内藤 秀明）

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