ドイツ・ブンデスリーガのマインツFW武藤嘉紀が、22日に帰国した。
16年は3度のひざのけがに悩まされるなど、苦しい1年となった。ようやくここにきて復帰にめどが立ったところでリーグは中断期間を迎えたが、武藤は明るい表情で来年17年の巻き返しを誓った。
「厳しい1年間だった。ひざだけで3回けがをして、思うようにプレーができなかった。今までサッカーをやってきて、一番厳しかった年だった。ひざはだいぶ良くなっている。ここ数試合は出場したかったけど、(マルティン・シュミット)監督と話し合って、ここで無理をするより来年のリーグ再開でベストな状態でプレーできるようにしようということになりました」
度重なるけがの間、支えになったのは家族の存在。妻との間には昨年12月に娘が生まれているが、彼らが武藤の原動力になっていく。
「妻は自分の気持ちを考えてくれたのか、『とにかく焦らないでいい。元気な姿でピッチに立つところを見るだけで幸せだから。焦らず、ゆっくり一緒に頑張ろう』と言ってくれた。その言葉が支えになっている。本当にやらないといけないと思うし、恩返しになるかは分からないけど、とにかく自分が活躍している姿を見せないといけない」
日本代表では原口元気、清武弘嗣、大迫勇也など、本田圭佑や香川真司といったこれまで長年チームを支えてきた選手に代わる存在が台頭してきている。武藤にとっては、彼らに割って入る存在になれるかどうかが、今後の代表活動を左右する。
「みんなの活躍に刺激を受けた。自分もウカウカしていられない。活躍をすれば、ああやって(ヴァイッド・ハリルホジッチ)監督から評価してもらえる。原口選手はしっかりポジションを奪っているし、代表でもヘルタ・ベルリンでもあれだけ走り切れる力がある。自分にも必要な部分。でも尊敬の念だけではなく、自分もやらないといけない立場。とにかく、彼らに追い付け、追い越せるようにやっていきたい」
現在10位のマインツを押し上げる存在として。そして3月に再開されるロシアW杯アジア最終予選で代表復帰するために。「勝負の年になる」と本人も明言する17年、巻き返しの戦いを武藤は迎える。
(日本代表担当 西川結城)
2016/12/22 18:09