日本サッカー界はロシアW杯アジア最終予選の話題で持ち切りだが、横浜FCではMFグエン・トゥアン・アインがベトナム代表として召集。11月6日に行われた北朝鮮との親善試合に先発出場し、うれしい代表初ゴールを挙げた。
[4-3-3]のインサイドハーフの位置に入ったグエン・トゥアン・アインは、北朝鮮に先制され1点を追う32分、左サイドに流れてボールをキープした元札幌のレ・コン・ビンからペナルティーエリア内左でパスを受ける。北朝鮮のDF3人に囲まれていたが、「激しいプレスもなく、スペースがあった。ターンして打とうと決めた」と、右にターンしながらトラップし、右足を一閃すると、横っ飛びする北朝鮮GKの手の先を巻いてボールはゴール右スミに吸い込まれた。これがその後の大量点の呼び水となり、ベトナム代表が5-2で勝利した。
グエン・トゥアン・アインは後半途中に、水戸に所属するFWグエン・コン・フォンと交代でピッチを退いた。この二人、ともに21歳で、今季そろってJリーグ入り。グエン・トゥアン・アインが“ベトナムのピルロ”、グエン・コン・フォンが“ベトナムのメッシ”と呼ばれる、ベトナムサッカー界にとって期待の星である。その二人が今週末、ケーズデンキスタジアムで行われるJ2第36節・水戸vs横浜FCで相見えるかもしれない。6月8日に行われた横浜FCのホーム戦では二人ともメンバー外だったが、今回は二人とも代表帰りであり、コンディション、モチベーションともに最高の状態にある。
特に、9月22日の天皇杯3回戦・長野戦、今回の代表戦と、出場試合で連続ゴール中のグエン・トゥアン・アインは、「横浜に来てかなり練習して、シュート力は上がったと思う。天皇杯でも代表でも得点できたことは自信につながる。リーグ戦でもチャンスがもらえれば得点したい」と意気込む。グエン・コン・フォンとは「たまに休日、渋谷でベトナム料理を食べながら話をする」と言い、「今度はぜひ同じピッチに立ちたい。チャンスをつかめるようにしっかり準備する」と、リーグ戦初出場に意欲を燃やしていた。
(横浜FC担当 芥川和久)
2016/10/12 17:12