明治安田J2第38節金沢戦(4○0)の小手川宏基の先制ゴールは、川島大地が約30メートル地点からのFKを直接狙い、GKが辛うじて手に当てバーに跳ね返されたボールを押し込んだものだった。そのFKの場面を思い返すと、セットしたボールのところに立っていたのは原一樹と川島。北九州の“年功序列の常識”からすれば蹴るのは原のはず……。その時に二人の間でかわされた会話はこんなふうだったらしい。
川島「一樹さん、行きます?」
原「オレなぁ、今日の試合前のアップのとき、当たりがいま一つだったんだよなぁ」
川島「じゃぁ、僕が行きましょう」
ところが、である。
「そもそも僕は試合前のアップでFKをイメージしてキックをしていなかったので当たりが良いとか悪いとかを感じてさえなかった。でも『なんか行けそう』という予感だけで『行きます』って言っちゃった。結果、得点につながったんで良かった」
そう言って笑った川島だが、京都戦ではアップでしっかりと感触をつかんで、今度は直接ネットを揺すってもらいたい。
(北九州担当 島田徹)
2015/10/30 19:51