練習を終え、何度も目を瞬きしながら米本拓司がこちらに歩いてきた。3月4日、この日の東京は気温が20度近くまで上昇し、花粉の季節もいよいよ本格化。そんな記者も重度の花粉症で、同じように目をパチクリとしながら話を聞き始めた。
米本といえば、ボールハンター。相手の球際に激しく、鋭く寄せていき、マイボールにしてしまう守備力は国内屈指だ。
開幕戦の相手・G大阪は、現在ACLで2連敗中。中国、韓国のクラブの激しいプレーを前に、自慢の攻撃が沈黙した。一方、2月28日に行われた、FUJI XEROX SUPER CUP では、浦和相手に快勝。宇佐美貴史とパトリックの2トップが揃い踏みで得点した。
これらの結果を見て、一つ言えることがある。
Jリーグのクラブにはすんなり力を発揮できているも、アジアのクラブには勝てていない。そして、Jになくてアジアにあるもの、それは時にはダーティーとも思えるようなハードなプレーとパワーである。
これらがG大阪攻略の、一つの糸口にはならないか。米本はそれについて、こう話した。
「まず、プレスの行く、行かないの判断は大事になってくる。簡単に行って剥がされるとピンチになるし、宇佐美とかはそういう突破が得意でもある。でも球際自体にはいつだって激しくいかないといけない。それは監督(マッシモ・フィッカデンティ)からもすごく言われているし、サッカーの本質でもある。今年はキャンプでいっぱい走りこんできたので、しっかりチーム全体で行くところは行きますよ」
アウェイ・万博のピッチで、米本を筆頭に東京の選手たちがどれだけG大阪にタイトに迫れるか。これが一つのキーポイントになってくることは間違いないだろう。
ちなみに、最後に「花粉症、いよいよ大変だね」と同志を思いやるようにに声をかけると、こう返ってきた。
「いや、これ、ものもらいです」
・・・週末までには、しっかり治してほしいものである(笑)。
(FC東京担当 西川結城)
2015/03/05 07:00