10日のJ2第26節・東京V戦(3○2)で78分に投入され、3分後に果敢な突破から決勝点につながるPKをゲットした林容平。そのPKは、この日は再三の決定機を外していたラドンチッチが蹴りたいと主張し、譲るかたちになった。
「正直、自分で蹴りたかったけど決めてくれてよかった。FWにはあのくらい強い自我も必要ですよね」
林は、FC東京でプレーしていた昨季の天皇杯準々決勝・仙台戦でも劇的勝利に絡んでいる。1点ビハインドで迎えた85分、3枚目の交代カードで出場。それまで満足に出場機会が得られなかった悔しさをぶつけるように走り、被ファウルでFKを獲得した。これを太田宏介が決め延長戦にもつれ込んだときには「あと30分サッカーができる」とうれしかったという。その後は互いに譲らずPK戦突入かと思われた120分、右からのクロスを最後に押し込んだのが林だった。
いまだ混戦をきわめるJ2。与えられた時間で決定的な仕事をこなす男が、泥臭く勝ち点をもぎ取る。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2014/08/13 20:00