ヒーローになれなかった男に対して、キャプテンは手厳しかった。
「あれを外したら論外! あそこで点を取らないと」
廣瀬浩二が愛のある鋭いツッコミを入れたのは、同学年の中野洋司だ。ちなみに、廣瀬自身も先制弾のシーン以外に得点機があったが、「あれは思いっ切りボールにスピンがかかっていた」そうだ。
前節・富山戦(2○1)の8分、中野にビックチャンスが巡ってきたが、ボレーシュートが枠を捉えることはなかった。
「直接(狙う)というより、こぼれ球を狙おうかなと。たまたま良いポジションにいたけど、すいません」。こちらが恐縮するほどの低姿勢で謝罪した中野は、2度の決定機を決め切れなかったことよりも「DFとしては失点が悔しい。僕の1点で3-0になるよりも、2-0で試合を終わらせたかった」と、試合終盤に喫した失点を悔いた。
第19節・東京V戦(1△1)の流血から復活した中野が次に狙うのは、もちろん完封勝利。多くを求めることなく、DFとして最低限の仕事を果たす。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/07/10 17:58