今季途中加入のDF、ペ・デウォン選手(24)がベンチ入りを続けています。
最終戦を前にした段階ですが、彼のことを今一度、ここで紹介します!
本職はセンターバック。韓国国内では「スピードあるセンターバック」として注目され、水原三星に入団。その後、2部リーグのチームを2つ経験し、今季初めから東京Vに練習参加。そこでのプレーが認められて、契約を締結しました。
東京Vで練習を続ける中で、ヘディング、それにポジショニングも上達。センターバックだけでなくサイドバックにも挑戦し、左サイドバックでの途中出場で、Jリーグ初出場も果たしています。
「来日当初はあまり試合にも出られるコンディションになかったし、ケガもしてしまったんですが、今は調子も良いです。秋田さん(秋田豊コーチ)が守備のことをいろいろと教えてくれて、(守備面が)良くなっています。特にヘディングを教えてくれました」
異国でのプレーにも慣れました。先日、練習試合を見ていた、元東京VのDFの方が、「あの選手、良いね!」と話すなど、彼の良いプレーが目立ち始めています。
日本語も、相当上達しました。来日当初は通訳が付いていましたが、1週間もすると、その方が帰国。彼は通訳なしで必死に日本語を覚えていきました。自宅に先生を呼び学んでいたという日本語授業からも、1カ月前に“卒業”。その後は参考書で自習を続け、「分からないことがあったら、韓国に住む日本語が得意なお姉さんに電話して聞いています」。
その実力は、本人によると「しゃべる方はまだ難しいですが、聞く方はもう大丈夫」だそうです。通常会話ならほとんど問題なくこなせますし、もちろん、取材も日本語で対応します。よくコンビを組んで練習する深津康太選手も「デウォンは日本語をかなり勉強していて、もう話せば通じるし、分かっているから大丈夫」と太鼓判を押していました。
また、最近は韓国の方が多くいる「新大久保にも週一のペースで行く」そうで、先日は「チームメイトと韓国料理を食べに新大久保へ行った」と言います。それに「チームメイトやスタッフの皆さんの経歴をインターネットで調べた」らしく、秋田コーチのチーム遍歴をそらで言えるほど。「スゴく寂しかった」と振り返る来日当初に比べて、東京にも、ヴェルディにもすっかり慣れました。
彼の性格は、どちらかと言うと、おっとりしていて、ほんわかとした雰囲気を普段から漂わせています。センターバックの選手としてイメージされがちな「屈強な男」とは、少し違うかもしれません。仲が良いのは、年代が近い選手たち。阿部拓馬選手、小池純輝選手、秋葉勇志選手あたりでしょうか。
というわけで、最終戦、彼が出場するようなことがあれば、ぜひ注目を。韓国2部リーグではセットプレーからヘディングで2点取った経験があるそうで、その高さも必見です。「中後さんのキックはレベルが違いますね。ボールが自分のところに来たら、決められるかなと思っています」と、本人自ら、ゴールの匂いすら漂わせていました。
コリアン“ニュータイプ”センターバック、ペ・デウォン。その、秘めたる潜在能力を試合で解放できるでしょうか。
(東京V担当 田中直希)
2012/11/10 09:30