7日の名古屋戦後に、酒井宏樹選手の退団セレモニーが行われました。胴上げ後に自ら脱いで上島竜兵氏流の笑いをとった中島崇典選手の機転もあり(?)、和やかなセレモニーとなりましたが、酒井選手の移籍に対して少し特別な思いを抱く選手がいました。「10年、(酒井選手と)一緒にプレーしていた」、工藤壮人選手です。酒井選手へ全員のメッセージ入りユニフォームを渡す大役を担った工藤選手は、日立台ラストマッチ、柏でのラストマッチ、そして今回のセレモニーと酒井選手にまつわる様々なくくりの試合が続いたことを「なんかいつがお別れかよくわからない」と笑いながら「今日で一区切りだと思う。オリンピック代表としても応援しているし、厳しい戦いにいくことになるが、自分は楽しみにしている。ボクもまた刺激をもらって、柏で結果を残す」と話していました。
酒井選手の移籍により、工藤選手とユース時代からともにプレーした6人の同期選手はついにチームに一人となりました(比嘉康平選手・山形、武富孝介選手・熊本、山崎正登選手・岐阜はレンタル移籍中)。
「トップに残った(ユース同期の)6人はそれぞれの場所で結果を出していて、お互いに刺激し合ってできている。J2では武富が点をたくさん決めている(現在4試合連続ゴール中で10得点)しね。負けないよう、得点を重ねていかないと。酒井も、また高いレベルのリーグでやる。彼の刺激にもなるように、自分は柏で結果を残します。『工藤、がんばっているな』と思われるように、ボクも頑張る。またどこかで一緒にプレーできることを楽しみにしています。それが代表になるのかはわからないですが。ついに同期がチームに一人になった? そうですね。しみじみとそれを感じます。世界に行った選手、J2で頑張っている選手、そして自分のようにレイソルでやっている選手がいます。誰が、とか関係なく、集まるべきところで集まって、一緒にまたやれたらいい。どういう縁で、またサッカーができるかわからない。酒井、前(ガンバ戦)は泣いていたけど、今回は泣かなかったですね。チーム全員の思いを、彼は背負っていくことになるし、まずはオリンピックでどれだけできるか。日本中が楽しみにしていることだし、自分も応援したい」
工藤選手は、最大限のエールをおくっていました。工藤選手とともにトップ昇格した5人(酒井、武富、比嘉、山崎、仙石廉・岡山)に加え、現在柏の練習に参加している指宿洋史(セビージャ・アトレティコ)、甲府の畑田真輝、東京Vの島川俊郎と、柏U-18で同期の9人がプロ選手となっています。まさに彼らは柏の黄金世代。こうやって名前をあげていくと、改めて彼らの世代のすごさを感じます。
(柏担当 田中直希)
2012/07/10 11:27