甲府は盛田剛平をFWで起用し、加えてCBの控えにけが人が複数出ている。一時的とはいえ、控え組に「後ろの専門家が一人もいない」(城福監督)という状況だ。加えてチーム構成の面でも若手のCBは補強ポイント。城福監督は畑尾について「大きな選択肢の一つだとずっと思っていた。動けるコンディションになるのを待っていた」と明かす。
とはいえ契約の可否は彼のプレーを見極めてからだ。3月24日の練習試合・横浜FM戦までは、チームに帯同することが決まっている。Jリーグの登録期間が3月28日で一旦切れるため、畑尾は短時間でアピールをしなければならない。
しかしまず健康体でプロにチャレンジできることは、彼にとって大きな前進だろう。大学4年冬のインカレでは、ピッチ外から仲間の優勝を見守る主将・畑尾の姿が、TV番組で取り上げられた。「Twitterとかでも全然知らない人からも“頑張ってください”というメッセージをたくさんいただいた。自分としてはかなり励みになった」と畑尾は振り返る。「そういう方々に対して、自分が戦っている姿を見せたい」というのが、病魔を乗り越えた23歳の想いだ。
(甲府担当 大島和人)
2014/03/17 19:24