周囲の期待を、プレー同様にあざ笑うかのようだった。「もりむー(森村昂太)が出場停止なんで、期待は大きいと思うけど、普段どおりにプレーをしたいだけです」と、小手川宏基は淡々と話した。
前節の群馬戦では、9試合ぶりのベンチスタート。誰よりも悔しいはずだが、顔に出さず、口にもしなかった。出すのはピッチ上のプレーだけだ。7日の練習でも、いつも以上に周りとコミュニケーションを取り、攻撃を引っ張ろうとしていた。
「群馬戦の2点目は、本当に良いゴールだったと思う。全体の共通理解がないと、ああいうゴールは生まれないし、一人じゃできない。全体でプレーできないと、ああうまくはいかない。周りと連動して、今節もやっていきたい」。
今季から北九州の10番を背負い、苦しい時期を引っ張て来た男。ここまで8ゴールと、二桁得点も見えてきたが「毎試合点は取りたいと思ってプレーしているけど、チームの勝利が優先。僕はただ頑張るだけです」。ひょうひょうと話す姿を見ていると、久々の“コテゴール”を期待せずにいられない。
北九州の選手名鑑(クラブ公式サイト)
(北九州担当 坂本真)
2013/11/07 19:10