adidas CUP日本クラブユース選手権(U-18)1次ラウンド3日目
「アビスパ福岡U-18 1-0 柏レイソルU-18」
日本クラブユース選手権も、3日目を迎えた。晴天に恵まれた前橋総合運動公園で、温度計が示す数字は「34℃」。初日から少し元気のなかった群馬の太陽が、いよいよ本気を出してきたようである。9時キックオフの第1試合はともかく、11時半キックオフのこの試合は、暑さとの戦いともなった。
アビアスパ福岡U-18はここまで2引き分け。「勝たなきゃ終わり」(DF光永祐也)というシンプルなシチュエーションである。一方の柏レイソルU-18は初戦を落とし、第2戦は勝利。引き分けなら突破確定、敗れても突破の可能性があるという状況だった。どちらが11人全員のベクトルをそろえて試合に臨みやすいかといえば、やはり前者である。
福岡の策はシンプル。「パスをサイドに出させて、SBがボランチにつけてくるパスを奪う」(MF野中優之介)こと。映像で分析したうえで、ボールの狙いどころを明確化し、前線からの守備を徹底。そのうえで柏のDFがドリブル対応に弱さがあるという点も事前に強調していたそうで、攻撃では積極的な個人の仕掛けで崩していく福岡のスタイルを前面に押し出した。左SB光永がドリブルで3枚をかわし、鮮やかにシュートを突き刺した53分の先制点は象徴的だった(上写真の20番は、馬力十分の強引な突破が冴えていたMF関恭範)。
野中が「最後はしんどかった」と率直に語ったように、終盤は柏の猛反撃を受けて苦しんだが、相手のフィニッシュワークのつたなさにも助けられ、逃げ切りに成功。若蜂軍団が、初めての決勝トーナメント進出をたぐり寄せた。柏・下平隆宏監督は「最悪です」と表情を曇らせたが、こちらも他チームの結果でかろうじてグループリーグ突破には成功。決勝トーナメントでの逆襲を期すこととなった。
(EL GOLAZO 川端暁彦)
2013/07/28 18:54