日本の五輪代表戦士が見せたスペイン戦での快挙。世界でも「サプライズ」として伝えられているようですが、FC東京ではこの結果を予想!? していた人物がいます。その名はランコ・ポポヴィッチ監督。スペイン戦翌日、「世界的にはもちろん大きな衝撃を与えたかもしれないが、私にとっては驚きではなかった」と話を切り出したポポヴィッチ監督は「試合前から、この結果は予想していた。スペイン戦に関してはモチベーションは必要ない。失うものは何もないし、初戦なんだけど変な緊張感やプレッシャーを日本は感じずに入れたと思う。日本はメンタルの部分をしっかりすれば必ず良い結果を得られると思っていた」。どうやら、指揮官は見事に予想を的中させたようです。
また、もう一つの要因としてポポヴィッチ監督が挙げたのがコンディション面。「スペインはリーグ戦が終わったばかり。日本の選手はリーグ戦を戦っている最中でコンディションがいいときに大会に参加している。それは日本にとってのアドバンテージだ」とのこと。最近では秋春制が議論に挙がるJリーグですが、欧州リーグのシーズン後に行われるこういう世界大会では、やはり現行の春秋制は有利に働くようですね。
最後にポポヴィッチ監督は、日本代表への期待とともにエールをおくりました。
「大切なのはこれからだ。スペインに勝ったからと言って満足してしまったり、次のモロッコを甘く見てはいけない。モロッコはいま、ラダマン中でコンディションは良くないが、『何とかなる』という気持ちが少しでもあったとしたら足をすくわれると思う。スペインに勝ったいまだからこそ、モロッコ戦をブラジル戦だという気持ちを持って戦ってほしい。
この年代の選手は非常にレベルが高いと思うし、関塚監督もいい監督だ。本当に心から彼らの躍進を望んでいる。躍進のカギになるのは体ではなく、メンタルを含めて頭をどう使うか。一番大切なのは、相手を甘く見ないこと、そして相手を怖がり過ぎないこと。過信になってはいけないが、コンプレックスを持たずに自分たちの力を信じて、自信を持ってやることだ」
(FC東京担当 泰良和彦)
2012/07/28 15:17