失意の関東大学サッカーリーグ2部降格から2年目のシーズン、淺海友峰新監督の下で1部復帰への道のりを突き進んでいる。リーグ第1節で青山学院大を2-1で破ると、開幕3連勝とスタートダッシュに成功。第4節で初黒星を喫したものの、引きずることなく勝利を重ねた。中断前最後の第8節・日本大戦は0-3で敗れたが、6勝2敗の勝点18でリーグ首位を走っている。
特筆すべきは、8試合で7失点に抑えている守備力だ。セットプレーで2点を失った第8節を除けば、複数失点を喫した試合はゼロ。DF酒井綜一郎、DF野村京平、DF沼崎和弥が並ぶ3バック、そしてGK田原智司を含めた守備陣4人中3選手が身長180cm未満と決して高さがあるとは言えないものの、球際で粘り強く相手アタッカーに対応し、堅守を築いている。中盤から前へ目を移せば、主将を務めるサイドハーフの佐藤海徳が正確なクロスを連発し、MF橋本健人はリーグ最多の5アシストを記録。さらに前線では、シャドーの位置から鋭い飛び出しを見せるFW福本拓海がリーグ3位タイの4得点を挙げ、FW山田盛央とFWピーダーセン世穏とともに形成する4年生トリオの攻撃陣がチームをけん引している。
上々のシーズン序盤戦を経て、真価を問われるのは夏場以降の戦いだ。6月に臨んだ総理大臣杯予選では、明治大に0-3と屈して2回戦敗退。1部リーグで首位を走る強豪に、力の差を見せ付けられる形となった。悔しい結果であることは間違いないが、それと同時に、1部復帰を目指す上での“現在地”を把握できたことは収穫と言えるだろう。
明治大相手に完敗を喫してから、約1カ月。8月のリーグ再開を前に迎える早慶戦は、昇格争いを見据える上での試金石としても重要な意味を持つ。そして何より、慶應大は定期戦7連敗中。大会記録に並ぶ8連覇達成を阻止するためにも、意地とプライドに懸けて勝利をつかみに行くはずだ。気迫に満ちた戦いから目が離せない。
※早慶サッカー定期戦は7/12(金)等々力陸上競技場で18:30KICK OFF
(写真)2部アシストランキングトップを走る慶應大の橋本健人
文・内藤 悠史 写真・JUFA/Reiko Iijima
(BLOGOLA編集部)
2019/07/11 20:22