FC東京U-18のFW久保建英が28日、5月3日のルヴァンカップ第4節・札幌戦出場に向けてトップチームの練習に参加した。
これまでの個人の調整の一環としてトップチームのトレーニングで汗を流したことはあったが、Jリーグの公式戦出場に向けて本格的に参加したのは今回が初めて。週末の30日はJ3第6節の長野戦に先発出場することが濃厚で、その後もこのまま試合日までトップチームでの調整を続ける予定となっている。
28日午後の練習。グラウンドでは、30日のJ1第9節・広島戦に向けた戦術練習が行われた。久保は1本目はタッチラインの外側から練習を見守ったが、2本目になると控え組ながらピッチに入った。この日は際立ったプレーを見せるまでは至らなかったが、冷静なパスさばきなど物怖じすることなくトップチームの選手たちとボールを蹴った。
周囲の選手たちの反応も上々だ。
「僕より久保くんのほうが実力が上なので、逆にいろいろと聞きたい(笑)」と冗談めいて話したのはMF東慶悟。久保の人間性を評価する。「めちゃくちゃ良い子だし、謙虚さも見られる。そこは本当に大事なところ。注目されていることはもちろん本人も分かっているだろうし、プレーしていて周りの選手から何かを盗もうとする感じもある。それはいま彼のいるカテゴリーでも大事な部分。こうやってプロと一緒に普通にやっているし、僕が何か言うことはない」。
さらに、プレーのディテールについて触れたのが髙萩洋次郎だった。自らもボールテクニックを武器とするMFの目には、こう映った。「すごく良い選手。パス一つにしても高い意識を持って、受け手の右足、左足、またはスペースなのか足元なのかを全部意識している。いろいろなことに気を使える選手だし、周りも見えている」。
そして久保にフルメニューを消化させた篠田善之監督も語る。「しっかり話を聞けるし、前よりもしゃべるようになった。フィジカルはまだまだだけど、技術はしっかりしていて見ているところはちょっと違う。これから背も伸びるし、筋肉もつくのでフィジカルはこれから。今日は戦術練習もシュート練習もやった。今後もいろいろなものを吸収させていきたい」。
5月2日に発表されるU-20W杯の日本代表にも飛び級選出されることが予想され、その翌日に控えるルヴァンカップでついにトップチームデビューを飾る予定の久保。順調に、その歩みを進めている。
(FC東京担当 西川結城)
2017/04/28 20:31