ドイツ・ブンデスリーガのマインツFW武藤嘉紀が20日、国内での自主トレを終えてドイツに向かった。今年2月のリーグ戦で右ひざを痛め、3月下旬に復帰するも練習中に再び右ひざを痛めて以降は、日本でリハビリとトレーニングを行ってきた。コンディションも整い、ドイツ2シーズン目に向けて意気揚々と飛び立った。
辛く厳しい経験を乗り越え、武藤が本格復帰に向けて動き出した。4月に帰国以降、都内のトレーニング施設で連日、治療とハードな練習をこなしてきた。6月に入ると、古巣のFC東京の練習場でも汗を流していた武藤は、今後はドイツで負傷箇所のメディカルチェックなどを行い、29日のチーム始動日に合流する。
「(2月以降)たくさん休んだので、もう頑張らないと」と笑顔で語る武藤。復帰に向けた思いを、こう語った。
「まずは新シーズンはけがなく、昨シーズン以上のペースでゴールを取りたい。岡崎(慎司)選手が持つブンデス15ゴールという数字を越えたい。僕の真価が問われている。昨シーズンは前半戦で7点。自分自身、もっと点を取れたと思う。15点は高めの目標設定だけど、勝負のシーズンで自分を追い込むためにも大事になる」
リハビリ後は新シーズンに向けてかなり厳しい練習を行ってきた武藤。体つきも一段とたくましくなった。
「いまは90%ぐらいのコンディション。多少けがへの怖さも残っているけど、体はだいぶパワーアップできた。もう一度自分の体を見つめ直して、どこに筋肉が足りないかが分かった。走り方の改善にも取り組んでいて、陸上専門のコーチとクリスティアーノ・ロナウドのトップスピードの動画を見て参考にしながらやってきた」
マインツでの活躍はもちろんのこと、狙うは9月から始まるロシアW杯アジア最終予選での日本代表復帰。
「代表では思い描いた結果が出せていない。日本のために貢献できているという自負がない。マインツで活躍して、それを代表に還元したい」
幸先良くスタートを切った、海外初挑戦だったが、後半に待っていたのは辛く苦しいけがとの戦いだった。その時期を乗り越え、復帰に向けて再び視線を上げる武藤。ドイツでの2年目、反攻の活躍に期待が集まる。
文・写真:西川結城(FC東京、日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/06/20 13:01