原一樹のゴールを守り切って1-0の勝利をモノにした第18節の松本戦。「これまでの試合の中で一番走った。キツかった!」と振り返った井上翔太は、後半ロスタイムで交代するまで攻守にわたって本当によく走って勝利に貢献した。
「アウェイだけど、あれだけ多くの人の前でプレーする興奮。それが足を動かす理由の一つになったことは確か。それと……」
井上が続けようとしながら口をモゴモゴさせて濁した言葉は、『パパになった喜びと責任』であることは間違いない。松本戦の前々日、6月12日の早朝に第一子となる長男が誕生。徹夜で出産に立ち会い、一睡もせずにその日の練習に参加。そして翌日には遠い松本へ移動した。
体調面から松本戦での先発もあきらめかけていたが、柱谷幸一監督は先発で起用。指揮官からの信頼に応えるため、そして何より息子の誕生記念に何とか勝利を贈りたいとの気持ちが井上の足を動かすエネルギーとなった。
「次の千葉戦はホームゲームだし、自分がゴールを決めて、ゆりかごダンスができれば」
自身の今季初ゴールと勝利を息子に贈りたい。
(北九州担当 島田徹)
2014/06/18 17:13