9月8日、味の素スタジアムで行われる明治安田J2第32節東京Vvs横浜FCで注目を集めるのが、“元柏のレアンドロ”対決だ。
横浜FCのレアンドロ・ドミンゲス(レアンドロ・ドミンゲス・バルボーザ)は2010年に柏に加入。J2優勝、さらに翌年にはJ1優勝に貢献してJリーグMVPに輝いた。そして東京Vのレアンドロ(レアンドロ・モンテーラ・ダ・シルバ)は、山形や神戸、G大阪、中東で活躍後2014年に柏に加入。レアンドロ・ドミンゲスの愛称は「ニーヤン」、レアンドロは「モンちゃん」と呼ばれた。Wレアンドロの活躍が期待されたが、レアンドロ・ドミンゲスの退団により2人の共演はわずか6試合に終わった。
今季、レアンドロ・ドミンゲスは2年目を迎える横浜FCで11ゴール9アシストを挙げ、往年の輝きを取り戻している。レアンドロは今夏、神戸から東京Vに完全移籍。度重なった怪我のためコンディションは思わしくなく、短い時間ながらも出場すれば高いクオリティーを発揮している。第25節の新潟戦では2ゴールをアシスト。前節はサイドの低い位置でフィードを収め、決勝ゴールの起点となった。「僕は前にいて点を取ってばかりの選手じゃない」と言うように、中盤を広範囲に動いてボールを引き出し、高い技術で収め、小気味よく展開してチャンスを作る。まるでレアンドロ ドミンゲスを思わせるようなプレーを、いま東京Vでは見せているのだ。
レアンドロはレアンドロ・ドミンゲスについて、「長い期間は一緒に試合をしていないけど、クオリティの高い選手。プレーのイメージを共有できる、良きパートナーだった」と述懐する。そしてもちろん、「次の試合では気をつけないといけない」とつけ加えた。
「そんなに守備で貢献しないように見られがちだけど、次にボールを奪ったらどうすべきか、どう攻撃していくかを彼はいつも考えていて、その準備を必ずしている。危険な存在だ」
一流は一流を知る。レアンドロにしてもレアンドロ・ドミンゲスにしても、相手に厳しく警戒されながらもなぜかフリーでボールを受けてチャンスを作ってしまうのは、その準備があるからに他ならない。実際、ボールを追い回す回数は少ないかもしれないが、試合を決める力のある選手が常に隙をうかがっているというだけで、ボールを持つ側は後ろ髪を引かれて攻撃の迫力は落ちる。それも立派な「守備での貢献」だろう。
レアンドロは金沢戦で相手との接触があり、今週は別メニューを中心に調整。ロティーナ監督は「大きな問題ではないが、100%の状態ではない」とし、ベンチ入りできても後半途中からの出場になりそうだ。2人の対戦が実現すれば、2014年8月の名古屋×柏以来となる。
(東京V担当 芥川和久)
2018/09/07 19:34