鹿島戦前日、18日に行われた横浜FMのトレーニングには、前節の名古屋戦前日と同様、いやそれ以上の衝撃的な光景が広がっていた。
レギュラー組が採ったのは名古屋戦と同じ[3-6-1]だが、中盤は<2ボランチ+2シャドー+ウイングバック>から<ダイヤモンド型+ウイングバック>に変更。天野純が「今まで見たことない」というほどの特異な形になった。そして名古屋戦に続いて3枚となる最終ラインには右から栗原勇蔵、ドゥシャン、そして新加入のチアゴ・マルチンスが入った。
そこに中澤佑二の姿はなかった。
アンジェ・ポステコグルー監督は中澤の不在について「休ませる時期をうかがっていたが、新しい選手が入ったこのタイミングだと判断した。W杯前も連戦はあったが水曜日はカップ戦がほとんどだった。いまは連戦の中でリーグ戦が水曜日に入っており、しっかりケアさせないといけない」と理由を説明した。
長年、中澤とともにプレーしており、前節の名古屋戦でも3バックとして最終ラインに入った栗原は、「40歳になって疲労とか体の痛みとか、誰もがその域に達していないわけで、ウチらには到底分からないレベルでやっている」と話しつつ、「ずっと佑二さんに頼ってきたし、いい意味で佑二さんに安心して休んでもらえるような内容にしたい」と力を込めた。
また、この数年はずっと自身の前に中澤がいた飯倉大樹は、「ベストメンバーはないし、固定したメンバーで戦うリスクもある。メンバーを入れ替えて常にみんなが出たいと思ったり、危機感をもってやれるのはプラスになる。いずれはくることだったわけだから、チームは成功に向いていくように、この決断が間違っていたとならないようにしたい」と毅然と話しつつも、「それはチームとしてね」と挟み、「一個人としてはボンバーのことは好きだし、すごくリスペクトしているから寂しい気持ちもある」と無念さものぞかせつつ、「だからこそ俺たちもやるべきことをやらないといけない」と鹿島戦での全力プレーを誓った。
中澤は鹿島戦のメンバーから外れたことを認め、「いつでも出られる準備はしているけど、(休養となったことで)ひざと向き合いたい。明日はチームを応援します」と話した。リーグ戦連続フル出場は178試合、リーグ戦連続出場が199試合を数えていた記録については中澤自身、「気にしていない」と話したが、偉大な選手が作った偉大な記録はここでストップすることが決定的となった。
写真:菊地正典
(横浜FM担当 菊地正典)
2018/08/18 15:42