
10日に行われたJ2第18節・大宮戦で今季初先発を飾ったFW中山雄希。相手はユース時代に所属したクラブということもあって、相当な高揚感をもってゲームに臨んだ。
配されたポジションはその当時からは考えもつかない左ウイングバック。その、サッカー人生初となる位置でも見せたプレーは堂々たるものだった。サイドでいい形からボールを引き出せば、重心の低い仕掛けも披露。得意の強烈なシュートを打つことはできなかったが、及第点とも言える動きを見せた。しかし0-1で負けていたという状況も影響して、ハーフタイムに選手交代を告げられた。
「もっと出たかったし、もっとできたと思っている。でも、チャンスをもっと作らないといけなかったし、自分の立場を考えると“悪くなかった”ではダメ。何かインパクトを残して、代えの利かない選手にならないといけないし、そうなるチャンスだと思っていた。ただ、そのパフォーマンスを出すことができたかというと出せていなかった。もっと仕掛けられた。ゴールに向かってもっとアグレッシブにいけた。全然満足していない。悔しい思いしかない」
中山は唇をかんだ。それでも45分という短い時間の中で得たものもある。「ひさびさに出たけど、本当に自信もついた。いい形で何度かボールを受けることもできたし、普段あまりやらないポジションだったけど、まったくやれなかったという感覚ではない。ボールを受けることに関しても守備に関しても、何も臆することなくできた。全然やれるなという自信をつかめた試合でもあった」。それはプロ2年目となる背番号15が着実に成長している証だった。
ただ、目指すのは「代えの利かない選手」。個性豊かな選手たちがそろうチームの中で抜きん出るには、巡ってきたチャンスでインパクトを残していくしかない。
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/06/13 19:09