金沢は前節・山口戦に勝利を収め、J2残留を確定させた。DF作田裕次は「一つの区切りはついた」としながらも、複雑な胸中を明かす。
金沢がJ3優勝、J2昇格を決めた14年からチームに在籍する作田。昨季のJ2残留争いを知るのはもちろんのこと、J3から昇格する大変さも知っている。今季も早い段階から残留への危機感を抱いていただけに、「とりあえず良かった」という思いもあるが、それがすべてではない。
「見ている人とかも(シーズンが)始まったころは、中長期的な長い目でやっていくというチームの目標として、残留が今年の目標ではあったけど、もうちょっと期待はしていたと思う。その中でなかなか勝てない時期とかもあって、順位も全然上がらなかった」
そうした中でチームは残留争いを繰り広げ、3年連続となるJ2残留を決めた。
「『よっしゃー』みたいなものもあるけど、『いやいや、そこじゃないでしょ?』という気持ちもある。『残留が決まって良かったね』と何回も言われたけど、果たしてそれがうれしい言葉なのかどうか。将来的なことを考えたときに、ゆくゆくは『残留おめでとう』と言われるより、チームとしてもっと上のレベルでやりたいというのもあると思う」
良いか悪いかで言えば、良いことなのは間違いないが、諸手を挙げて喜ぶことでもないのだろう。ただ、リーグ戦を3試合残した段階でこういう話をできること自体に、J2で過ごす3年間の積み重ねも感じる。
(金沢担当 野中拓也)
2017/11/02 07:00