ミッドウィークに戦った天皇杯2回戦・大分戦は2-4での敗戦。大分戦に出場し、リーグ戦で出場機会の少なかった選手たちにとっては、2年連続初戦敗退以上に貴重な公式戦の機会を失ったため、天皇杯敗退は少なからずチームに暗い影を落としている。大分戦を外から見守った中島裕希は「切り替えられている選手、引きずっている選手。それぞれがいる」と現状のチームの空気感をそう話した。
しかし、試合は待ってはくれない。大分戦から4日後の25日には東京Vとの『東京クラシック』が待っている。そんな“ビッグゲーム”を前に、チーム主将にしてプロ17年目の李漢宰は「上から目線で言うつもりはないけど」と前置きしながらも、肩を落とすチームメートに次のようなメッセージを投げ掛けた。
「(天皇杯の結果は)勝負の世界では日常茶飯事のこと。この結果をいかに力として変えられるか。それをできた選手が再びピッチに立つ資格があると思う。僕もそんな経験はいくらでもしてきたけど、長い人生で考えればほんのちっぽけなこと。信頼を積み上げるには時間がかかるけど、落ちるのはほんの一瞬。もう一度信頼を取り戻すことが必要で、それをせずに下ばかりを向いていれば、一生チャンスなんてやってこない。もう一度チャンスを自分で手繰り寄せるぐらいの強い気持ちを持ってほしい」
そう話すリ・ハンジェとて、今季はベンチを温める試合も少なくなく、ピッチに立つために不断の努力を欠かさない。常に競争にさらされている。それがプロサッカー選手の宿命だろう。
「こういうときにどうすればいいか。大事なことは誰も教えてくれないし、自分で気付いて行動に移さないといけない。結局答えは自分で探すしかないし、常に答えはピッチの中にある」
大分戦の結果を“反骨心”に変えて這い上がってくる選手は誰かーー。決して多くの時間は残されていないが、そのファーストチャンスは、週末の東京V戦で転がっている。
(町田担当 郡司聡)
2017/06/23 20:21