12年2月以来、約4年半ぶりに日本代表に選出されたFW久保裕也(ヤング・ボーイズ)が、リオ五輪欠場の悔しさを胸に代表デビューに挑む。
今回、FW勢の中で新顔となった久保。11年から13年まで京都でプレーし、その後スイスのヤング・ボーイズに移籍。今季で4シーズン目を迎える中、現在公式戦10得点を挙げるなど好調さを買われての代表招集となった。
今夏、リオ五輪を戦ったU-23日本代表。久保は当初、チームのエースとして出場する予定となっていた。しかし、所属クラブにけが人が続出した影響で、大会直前になって出場を断念せざるを得なかった。
「すぐに気持ちを切替えるしかなかった。あとは日本代表を目指すしかなかったので、それに向けてやっていたのは事実です」
あまり口数が多いタイプではない久保。ぶっきら棒には話したが、シンプルな語り口は余計に覚悟の思いを強調した。
京都時代の12年に、アルベルト・ザッケローニ監督率いる代表に一度招集された経験を持つ。しかし、その時は国内組だけのチーム構成となっていた。
「今回は代表に選ばれて、素直にうれしかった。チームで結果を出しているから呼ばれたのかなと思います。4年前は国内組だけだったけど、今回は海外組も含めた代表なので、また違いますね」
そう語る久保本人も、今回は海外組として初めて代表に合流している。かかる期待は、あらためて大きい。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は会見の席で、久保を「2トップが合う選手」と評していた。その評価に対しては、冷静にこう話した。
「どういうシステムであれ攻撃的な選手なので、どこからでもゴールを狙うどん欲さを見せていきたい。2トップのほうが良いという自覚はあまりない。いま、チームが2トップなのでそう思われているのだと思う」
久保の特長の一つはシュートのうまさ。サイドでも前線でも、積極的にゴールを狙っていく考えを示した。
出場できなかったリオ五輪代表に招集していた手倉森誠監督は、現在代表コーチを務める。今回はひさびさの再会となったが、「テグさん(手倉森コーチ)からは『代表でも積極的にガンガン行け』と言われた」と言われた久保。まずは11日のオマーン戦で、代表初出場を狙う。
文:西川 結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/11/09 21:02