1週間後に対戦が迫っている熊本の試合が行われていた8月31日。しかし、横浜FCの選手たちにとっては、同時刻に行われた、もう一つ大切な戦いが気になっていた。
3日に天皇杯2回戦の長崎戦を控える横浜FC。その後は延期になっていたJ2第9節・熊本戦が7日に入り、すぐ11日にJ2第31節・町田戦と、アウェイ3連戦となる。「この3試合を一区切りとしてとらえ、初戦の長崎戦に勝って勢いをつけたい」(中田仁司監督)ところ。目標のJ1昇格プレーオフ圏まで勝ち点は『11』離れているが、熊本戦、町田戦と連勝すれば、次は現在6位の京都と勝ち点8以内の差で戦うことができる。「3試合すべて勝つつもりでいる」(中里崇宏)と、チームの士気は高い。
昨日はその熊本の試合が行われており、選手は当然それを見ているかと思われたが、同時刻にルヴァンカップで横浜FCにとって注目の試合が行われていた。それは広島vsG大阪。7月まで横浜FCに在籍していた野上結貴が初めて広島で先発出場したのである。
「熊本戦とどっちを見ようか迷って、広島のほうを見ていた。あいつは俺らの期待の星なので(笑)」という市村篤司は、野上のプレーについて「無難にやってたと思う」とコメント。「対人はほとんどやられてなかったし、ビルドアップは周りの人がうまいから、預ければ何とかなるという感じ(笑)。初スタメンにしては堂々とやってたと思う」と、自分のことのように喜んでいた。
同時に、J1の舞台で、しかも昨年のチャンピオンチームでプレーする野上の姿は、大いに刺激になったようだ。「ついこの間まで隣で組んでた選手が広島でやってるというのは、自分も負けてられないなと思う」。そのJ1チームと戦う機会をつかむため、天皇杯の長崎戦、そして続くリーグ戦へと、横浜FCは挑んでいく。
(横浜FC担当 芥川和久)
2016/09/01 19:16