
3日にキリンカップ・ブルガリア戦を戦う日本代表が、愛知県みよし市内で前日練習を行った。この日はJ1・名古屋の練習場でトレーニングを行い、先日新しく建ったクラブハウスを代表選手たちが早速使用した。
ブルガリア戦でCBとして先発濃厚なDF吉田麻也にとっては、09年まで在籍した古巣の練習場。新しくなった施設の感想は「(所属する)サウザンプトンに引けをとらないですね!」と笑顔を見せた。中学1年から暮らした第2の故郷での凱旋試合。高ぶる思いをこう語った。「12歳で初めてここに来て、ずっとこのグラウンドで練習したいと思っていた。名古屋のトップチームに昇格してその夢が叶って、その後海外に行って、もうここで練習することはないかなと思っていたけど、こうしてまた代表の一員として帰ってきた。明日は友達もたくさん来る中で、自分が一番好きなスタジアム(豊田スタジアム)でプレーできる。でも勝たないと意味がない。少しでも成長した姿を見せたい」。
今回のキリンカップは、9月から始まるW杯アジア最終予選を見据えた重要な試合になる。ブルガリアについては、ユーロ予選で同じグループとして戦ったポルトガル代表で、サウザンプトンの同僚であるDFジョゼ・フォンテとDFセドリック・スアレスからも情報を入手したという。「チームメートの二人のポルトガル人からも話を聞いてきた。守備はかなりブロックをしっかり作ってくる。守備を固めてくる相手をいかにこじ開けられるか、さらに鋭いカウンターにどう守備が対処するかは、最終予選でも大事になってくる」と、冷静に試合のポイントを語った。
守備面の改善点としては、3月に行われたW杯アジア2次予選・シリア戦(5◯0)の後半に危険な場面を迎えたところをヴァイッド・ハリルホジッチ監督も指摘していた。クロスから数回相手に決定機を与えてしまったが、吉田もその修正に向けてこう語る。「今回DFだけでもミーティングをした。そこに特化したこと練習はできなかったけど、ああいうシチュエーションはもう作ってはいけないし、ボールホルダーへのプレスとゴール前での相手との駆け引きをしっかりしたい。そのあたりは(W杯アジア)2次予選にはなかったレベルのプレーが必要になってくる」。
かつて名古屋の若きCBだった男は、いまや日本のディフェンスリーダーに成長した。吉田が思い出の場所で堅守を発揮し、チームにとっても本人にとっても有意義な勝利を飾る。(西川結城)
写真:徳丸篤史
(BLOGOLA編集部)
2016/06/02 21:05