日本代表は1日、愛知県豊田市内で3日に行われるキリンカップ・ブルガリア戦に向けた練習を行った。
前日まで左足を痛めて練習を休んでいたFW本田圭佑は、この日はグラウンドに姿を表わすも、一人、ストレッチなど別メニューの調整となった。練習前に行われた会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督もブルガリア戦の欠場を明言。日本はエース不在で、3日の試合を戦う。
練習後、取材に応じた本田。現状について、口を開いた。
「1試合目(ブルガリア戦)は出なくて、2試合目(7日)もいまの時点ではまだ出られるとは言えない。治るスピード次第では、治療に専念するかもしれない。一つの動作で痛めてしまった。リスクのある動きをあえて取ったので仕方ないところはあった。筋肉系のけがはタイプ的に速い選手がなるものなので、僕にとっては無縁かなと思っていた。コンディションが良いときはプレーもいろいろなことに挑戦する。ただけがをする度に思うのは、本当に良い機会でもあるということ。ボールを蹴ってサッカーしているだけではできない練習もできるし、体の左右のバランスとかも見直している最中ですね」
これまでも右ひざの半月板を損傷し、2度の手術を経験するなど、けがと戦ってきた本田。当時もポジティブな言動を繰り返していたが、今回も負傷に動じない姿は同じだ。
プレーはできないが、チームや選手にさまざまな形でアプローチすることはできる。本田は自分が出られない試合について、こう語る。
「そもそも僕が出る、出ないに左右されていたら2年後のW杯で結果は出せない。世界で結果を出すためには、いろいろな選手が自信を持って活躍しないと(予選も)突破はできない。ある意味、(自分がいないことで)違うプランを見せて、こっちのほうが良いかもと見られるぐらいのプレーをしないと。オプションの数は少ないと感じているので、そういう期待を持って外から見たい」
さらに本田の行動は、プレー面だけにとどまらない。宿舎での選手間のコミュニケーションについても語った。
「個人個人へのアプローチが大事な時期。ヨーロッパでプレーしている選手もJリーグでプレーしている選手も、いまは移籍がどうこうみたいな話もある。まだ表には出ていないいろいろな案件を抱えている選手もいる中で、未来について話をしている。サッカー選手はどうしてもサッカー馬鹿というか、いろいろな意味で視野が狭くなることもある。僕はそこで客観的な意見を遠慮なくぶつけている」
プレーができなくても、外からでもチームと選手に刺激を与えようとする本田。名古屋時代にプレーしたかつてのホーム・豊田スタジアムのピッチには立てないが、日本のエースは仲間に思いを託しチームの躍動を見守る。
文:西川結城(日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/06/01 20:29