北九州の練習を締める円陣の中心に立つ柱谷幸一監督はこんな言葉を選手に伝えた。
「やらされるプレーではなく、自らがやるプレーをしよう」
受け身ではなく能動的に。リアクションではなくアクションを。これが11戦未勝利という長いトンネルから抜け出すための、そして今節対戦する町田とのゲームを前に指揮官が掲げたテーマだ。
勢いに乗る首位チームを相手にするのに消極的な姿勢ではまず勝ち目はない。けれども、現在のチーム状況を考えれば選手は下を向きがち。そんな選手の気持ちをアグレッシブなものに変えるために、柱谷監督は「相手ボールを奪いに行く守備」をスイッチとした。
11日に行なった9対9のミニゲームでは、すべてのボールに対して奪いに行く姿勢を要求。柱谷監督は「ボール! ボール! 行け、行け!」と声が枯れるまで連呼した。今日の紅白戦では奪いに行くときと後ろにセットして守るときの使い分けというステップに進んだが、攻守で自らアクションを起こすことは継続して要求。自然に選手同士で要求し合う声がそこかしこで出て、とても賑やかな、とてもアグレッシブなムードの中での紅白戦となった。
時間が過ぎるのを待っているだけ、相手がミスをするのを待つだけではダメ。勝利は自らのアクションがあって初めて手にできるモノ。そんな当たり前のことを町田相手に思い出せるか、実践できるか。
(北九州担当 島田徹)
2016/05/12 19:44