戦士は韮崎のピッチで備えている。甲府のアカデミー出身で、U-23日本代表のファン・ウェルメスケルケン・際(ドルトレヒト/オランダ2部)は、オランダでの今季の予定を終えて1日に帰国。11日に行われるMS&ADカップ(vsガーナ代表)のメンバー発表が6日にあり、それに向けてコンディションを維持するために3日からJ1甲府の練習に参加している。
ドルトレヒトでのプロ1年目のシーズンは31試合に出場と、ヨーロッパで最初の目標であるスタメン定着を達成。2つ目の目標であった日本代表(U-23)招集も達成した。「(代表の)ポルトガル遠征を経験できたことは大きな収穫。対人プレー、スピード感、ポジショニングなど、細かいところまで自分の課題を知ることができた」と手ごたえとともに、自身に足りない部分も実感している。日本に帰国後は、実家に戻る前に、シャワー生活のオランダで焦がれていた八ケ岳山麓の温泉を先に楽しんだ。
ヨーロッパで特に好きなリーグはないようだが、アトレチコ・マドリーの試合をテレビで見て、SBのプレーを参考にしているそうだ。偶然にもアトレチコ・マドリーがバルセロナやバイエル・ミュンヘンと対戦するときのポゼッション率は、甲府が浦和や川崎Fと対戦するときのそれとほぼ同じ。「甲府でプレーすれば同じ経験ができる。スケールがちょっと違うけど…」と、無理を承知で質問してみると、ニッコリと否定も肯定もしない紳士。
代表召集がなければ6月末まで甲府の練習に参加するつもりだが、甲府のアカデミー時代から際を知る山梨の人々の願いは一つ。ブラジルで戦う際を見たい。
(甲府担当 マツオジュン)
2016/05/03 17:29